北朝鮮による拉致被害者・田口八重子さんの兄、飯塚繁雄さんが、18日未明、亡くなった。83歳だった。死因は肺炎だという。訃報を受けて、同じ拉致被害者の家族からは悲しみの声があがった。
拉致被害者・横田めぐみさんの母・早紀江さんは、18日午前、神奈川県・川崎市の自宅で取材に応じた。早紀江さんは、「本当によくやって頂いたことに感謝しています。優しい方で、穏やかな方で、きちんと、まともなことをおっしゃていた。家族にとってはつらい人生だと思います」と語った。

また、拉致被害者の家族が高齢化していることについても、「次から次から、(拉致被害者の)お父さま、お母さまが亡くなっていくのを見て、なぜ、みんなが会えないのかと思う」と悔しさをにじませた。
飯塚さんは、2007年から14年にわたり、拉致被害者家族会の代表を務めてきたが、11日、体調不良を理由に退任した。飯塚さんの後を継ぎ、家族会代表に就任した横田拓也さんは、18日朝、「全拉致被害者の即時一括帰国に向けて一生懸命活動していこうと私自身も誓っています」などと話した。

飯塚さんは、この数年、入退院を繰り返し、11月中旬から再び入院していた。田口八重子さんの長男・飯塚耕一郎さんは「八重子さんとの再会が叶わなかったことが無念であり、非情な結果となってしまった形です」とコメントを発表し、後日、お別れの会などを開く予定だという。

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