これは18年前、皇后・雅子さまと天皇皇后両陛下の長女・愛子さまの“合作”として公開された絵。タイトルは「一緒にお絵描き」。
雅子さまが様々な色のクレヨンで背景を塗られ、その上から、1歳になられたばかりの愛子さまが思うままに絵を描かれている。雅子さまの楽しい子育ての様子がうかがえる1枚。

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2004年「適応障害」と診断され、療養生活に入られた後でも、常に愛子さまのそばで笑顔を絶やすことはなかった雅子さま。

こうした子育てについて、フジテレビ宮内庁担当・宮﨑千歳記者によると…

フジテレビ宮内庁担当 宮崎千歳記者:
愛子さまが物心ついた頃には、母の雅子さまは療養に入られていて、体調がなかなか辛い中でも少しでも愛子さまが笑顔になり、明るい楽しい時間をお過ごしになれるように、色々な機会、体験する場を作るように、一生懸命心掛けていらしたのではないかと思います

両陛下の“子育て4カ条”

実は、愛子さまが満2歳になられる頃、両陛下は愛子さまとの向き合い方について“子育て4カ条”を明かされている。そこには、こんな項目があった。

「明るい雰囲気の中で日々を楽しく…」

「明るい雰囲気の中で日々を楽しく過ごせるようにすること」

2005年、当時3歳の愛子さまが初めてスキーに挑戦されたとき、雅子さまは愛子さまの体を支えて、楽しそうに滑られた。

当時、愛子さまにスキーの指導を行った杉山さんは・・・

杉山進氏:
楽しみにされているというか、期待をされているというか、(雅子さまの)もう嬉しそうな表情はお見受けできたと思います。

58歳の誕生日を迎えられた雅子さまは、愛子さまについてこう述べられた。

皇后陛下(誕生日に際してのご感想より):
愛子が生まれてからの20年間は長かったようにも、あっという間だったようにも感じられますが、様々な思い出が思い起こされて感慨深く思います

立派に成長された愛子さま。そこには、“子育て4カ条”を基本にした雅子さまとの20年間の歩みがうかがえる。

「良いことをしたとき、何かが上手にできたときにはよく褒めること、また、注意の必要があるときはわかるようによく言い聞かせること」

怒るのではなく、丁寧に言い聞かせたりすることが大事だとされていた。

母と娘で乗り越えられた”試練”

しかし、子育てには試練の時も…

愛子さまは2010年、小学2年生の終わり頃、通学に不安を訴え、学校には行きたいが、児童が多く集まる行事や部屋に行けない状況となられた。そのため、療養中の雅子さまが通学に付き添われることに。
同じ年の8月、静養先の那須塩原駅では、愛子さまに笑顔は見えず、手を振られることもなかった。

フジテレビ宮内庁担当 宮崎千歳記者:
愛子さまが困難に直面した時には、必ずその後、自分で納得して乗り越える時期が来ると信じて、無理に説得するということではなくて、本当に背中をそっと支えるような形で、解決するのをゆっくり信じて待って来られたそうなんですね

 “子育て4カ条”にも、こんな項目があった・・・

「自分が認められているという安心感をもてるよう…」

「自分が認められているという安心感をもてるよう、その時々の子供の気持ちをしっかり受け止めること」

安心感を与え、気持ちを受け止める・・・

雅子さまは、愛子さまが困難を乗り越えられることを信じ続けられ、付き添い通学は、1年9カ月に及んだ。すると・・・

2012年5月には、笑顔で手を振られる愛子さまの姿が…。この頃には、一人で通学できるようになられていた。
そして2013年10月、小学校生活最後の運動会では友達と一緒に、はつらつした組体操を披露。このとき雅子さまは、目を潤ませて見守られていた。実は愛子さまは、“通学不安”を乗り越えようとされていた一方で、取り組まれていたことがある。

通学不安を抱えていた小学3年生の頃から、蚕(かいこ)の飼育を始め、10年以上にわたり今でも続けられているのだ。

繭を収穫したあと、羽化した成虫から卵をとり、翌年、孵化(ふか)させるという非常に根気のいる作業を繰り返し続けてこられたという。

「ご養蚕(ようさん)」は、明治以降、歴代の皇后に受け継がれる大切なお仕事。2018年には母・雅子さまが、上皇后・美智子さまから引き継ぎを受けられた。雅子さまのお手伝いをしている代田さんによると、引き継ぎの際には愛子さまも立ち会われたという。

雅子さまのご養蚕を手伝う代田丈志氏:
(愛子さまから)『蚕に触っていいですか』っていうようなお話がありましたね。結構、愛子さまは(紅葉山御養蚕所で)自分の好きなところへ自分から行って、その場所で観察したり非常に楽しそうでしたね

“子育て4カ条”には、もうひとつ、こんな項目もある。

「自分でしようとする意欲を大切に…」

「自分でしようとする意欲を大切にし、危険なこと以外はなるべく見守るよう心がけること」

雅子さまと愛子さまが大きな困難を乗り越えられた背景にあったとみられる4つの「子育ての心得」。共に遊び、見守り、愛子さまの気持ちを尊重してこられた雅子さま。

フジテレビ宮内庁担当 宮崎千歳記者:
愛子さまの気持ちや意志を確認して尊重するという姿勢は、幼い頃もそうですし、今もそこは変わっていらっしゃらないそうなんです。なので、そうやって自ら考えて、自分の力で乗り越えてきたことが今、愛子さまにとっての自信にもなり、財産にもなっているのではないかと思います

(「Mr.サンデー」12月12日放送分より)

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