裁判所の前で「勝訴」「無罪」などの判決が書かれた紙を、弁護士などが走りながら掲げるシーンをテレビなどで見たことがあるだろう。
そんな場面をモチーフとした「判決を取ってくる犬用おもちゃ『勝訴マスコット』」がバンダイから登場した。
これはTwitterで話題となったアイデアを商品化したもの。バンダイナムコグループの公式通販サイト「プレミアムバンダイ」で予約受付をしていたが、既に締め切られている。
きっかけとなったツイートは、、商品企画を専門に行う会社『企画デザイン2時』の2021年8月25日の投稿。12月6日までに29万以上の「いいね」がつくほどの話題となった“犬用のおもちゃ”だ。
うれしそうに判決を取ってきてくれる、犬用のおもちゃを作りました。 pic.twitter.com/r2sgnETSi0
— 企画デザイン2時 (@niji_2oclock) August 25, 2021
ツイートには、「うれしそうに判決を取ってきてくれる、犬用のおもちゃを作りました」とのコメントと共に、行書体で「勝訴」と書かれた小さいクッションや、そのクッションをくわえて走ってくるワンちゃん(犬)の画像が添えられている。
ちなみに、今回発売するおもちゃの説明には以下のように書かれている。
Twitterで大きく話題になり、約29万いいねを獲得した「判決を取ってくるペット用おもちゃ」を商品化! 行書体で力強く「勝訴」と書かれたマスコットで、ワンちゃんが判決をくわえて走ってくる様子はまるで裁判所の前! 紐をくわえて遊ぶ姿は誰にも負けません。
サイズは2種類。「大」が縦20センチ×横15センチで大型犬~中型犬にぴったりで、「小」は縦13センチ×横11センチと中型犬~小型犬や猫にもおすすめなだという。
また、表面は「勝訴」、裏面には「無罪」と書かれているため、表裏両面で遊ぶことが可能。両方とも嬉しい判決だが、ワンちゃんがどっちをくわえるかでその日の判決が分かれるという工夫も。
さらに、クッションの中には“鳴き笛”が入っており、プープー鳴らして愛犬の気を引くこともできる。「遊んでいる姿は可愛さ無限大になること間違いなし」とのことだ。
価格は、「大」が1300円(税込)で、「小」が1000円(同)。
“勝訴”をくわえて犬が駆け寄ってくるのはシュールでもあるが、なぜ、このようなおもちゃを作ったのか? また商品化するにあたって、どのような点にこだわったのか?
まずは、『企画デザイン2時』の担当者に話を聞いた。
”ワンちゃんが走ってくる姿”と”判決を持って走ってくる人”のイメージが重なった
――なぜ、このようなおもちゃを作った?
企画デザイン2時のTwitterに、面白い企画を定期的に投稿しようと考えておりまして、ペット用品で何かアイデアがないかなと思ったときに、ひらめいた商品案です。
私も実家でワンちゃんを飼っているのですが、おもちゃを投げる「取ってこい遊び」が好きで、いつもいい笑顔でおもちゃを持ってきてくれるのです。
ワンちゃんが遠くからいい笑顔で走ってくる姿と、裁判所の前に判決を持って走ってくる人のイメージが重なり、この商品アイデアが生まれました。
――商品化されたことをどのように受け止めている?
我ながらシュールで楽しいアイデアだと思っていたので、実際に販売できて、とても嬉しいです。買ってくださったお客さまの投稿が今からとても楽しみです。
――商品化するにあたって、こだわった点は?
ワンちゃんの気を引くために、中に鳴き笛を入れたことと、勝訴の裏面に「無罪」の文字を追加して、どっちを向けて持ってくるかで判決が分かれるようにしました。
――おすすめの遊び方は?
マスコットの上部に縄がついているので、判決を取り合う「引っ張り遊び」もおすすめです。
これまでに商品化されたツイートも紹介
――この他に、Twitterに投稿したアイデアで商品化されたケースはある?
はい。『動く点Pポーチ』は実際に発売しました。
動く点Pポーチを作りました
— 企画デザイン2時 (@niji_2oclock) May 28, 2021
点Pがファスナーのスライダーになって、線分BC上を移動します。 pic.twitter.com/fAPY6uJSOI
「物理的にリツイートと『いいね』ができるライト」も、現在、商品化進行中です。
物理RT、物理いいねができるライトを作ってみました。 pic.twitter.com/sPl1TgjcRc
— 企画デザイン2時 (@niji_2oclock) June 4, 2021
バンダイ「もともと企画デザイン2時の企画に注目」
アイデアのきっかけやこだわりは分かった。
ではなぜ、バンダイはこの企画デザイン2時の「勝訴マスコット」を商品化しようと思ったのだろうか? また、Twitterをマーケティングでどのように活用しているのか?
バンダイの担当者に話を聞いた。
――きっかけは『企画デザイン2時』のツイートとのことだが、これを商品化しようと思ったのはなぜ?
もともと、企画デザイン2時様の企画には注目をしており、弊社と何かご一緒にお取り組みが出来ないかとお声がけしたタイミングで、今回の「勝訴マスコット」の投稿があったため、商品化が決定いたしました。
――バンダイではTwitterをマーケティングでどのように活用している?
商品に対する反響を確認したり、告知を行ったりするために活用しております。お客さま、おひとりおひとりのコメントにお答えすることはできかねるのですが、TwitterをはじめとするSNSでのご意見は真摯に受け止め、商品やサービスに反映出来るよう心掛けています。
――話題になったツイートで商品化できるものがないか、常にチェックしているの?
話題になったツイートを実際に商品化したケースは、「勝訴マスコット」を開発したライフ事業部においては今回が初めてです。常に新しい取り組みを模索しておりますので、話題になった企業様には積極的にお声がけをさせていただいております。
――今後も、バズったツイートがきっかけの商品化はあり得る?
はい。今回のような取り組みはもちろんのこと、今後もSNSを活用し、話題となるような商品の開発を検討してまいります。
――予約は12月2日で終わってしまったが、もう購入するチャンスはない?
現時点では再販予定はございませんが、ご要望を多く頂いた場合、再検討してまいります。
ツイートをきっかけに商品化されたシュールな犬用おもちゃ「勝訴マスコット」。バンダイは新しい取り組みを模索しているということなので、今後もこのような斬新なアイデアが商品化されていくかもしれない。