検察側の立証方法が「推理小説」のよう…直接証拠ない介護施設での傷害致死事件等

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4年前の2017年、岐阜・高山市の介護施設で入所者5人が相次いで死傷し、元職員の男がそのうち2人への傷害致死などの罪に問われている事件で、12月2日、初公判が開かれた。

この事件では、犯行の目撃者や防犯カメラ映像などの直接証拠がなく、「被告が犯人かどうか」が最大の争点となっている。

2日、岐阜地裁で始まった裁判員裁判。起訴内容について問われた被告の男は、はっきりと無実を主張した。

小鳥剛被告:
今、読み上げられたような行為をいずれもしていません

逮捕前の小鳥剛被告(2017年8月):
100%やっていないですからね、こんなことは。こんな自分が分かる状態でやるって、単なるアホじゃないかと

高山市の介護老人保健施設「それいゆ」の元職員・小鳥剛被告(36)。

4年前の2017年8月、入所していた中江幸子さん(当時87)の首を絞めるなどして死亡させたほか、別の女性入所者(当時91)の胸を圧迫するなどしてケガをさせた傷害の罪に問われている。

事件があった「それいゆ」では、4年前の7月から8月までの半月ほどの間に5人が死傷。小鳥被告は、この5人全ての介助に関わっていた。

しかし、犯行の瞬間を目撃した職員や、その様子を映した防犯カメラはなかった。

いわゆる「直接証拠」がない事件。問題が発覚した直後の取材に対し小鳥被告は…

逮捕前の小鳥剛被告(2017年8月):
5人全員の介護に関わっているという話でしたけれども、その日の朝、食事を介助しただけで、つまり何も関わっていなかった。転ぶもんは転ぶし、ケガするもんはケガするし。いくら気を付けとっても、正直100%事故を防げないというのは事実ですよね

さらにこの1年半後、逮捕の1週間前の取材に対しても…

(Q.思い当たる節も全くない?)
小鳥剛被告(2019年1月):
ないですね。逆に今更思い当たることなんて、その時になかったら今もないと思う

一貫して自身の関与を否定していた。

警察は、職員の証言など「間接証拠」を積み重ね、事件発覚から1年半後に小鳥被告を逮捕。

この時に取材に応じた被害者の家族は…

被害者の次男:
(認知症で)自分の意思もはっきり伝えれられない者に対して、なぜこんなことができるのかと

別の被害者の長男:
白状せんのやでな、本当のこと言わん。真実を話さんでどうしようもない

そして迎えた2日の初公判。

裁判には職員など、のべ26人にのぼる証人が出廷した。

小鳥剛被告:
私は2件の事実について、今読み上げられたような行為をいずれもしていません

小鳥被告は裁判でも一貫して無実を主張。

続く冒頭陳述で検察側は、施設の通路を映した防犯カメラやほかの職員の勤務状況などから、まるで“推理小説”のような立証方法で「犯行は小鳥被告しかできない」と指摘した。

検察側は、事件現場となった介護施設の図面を示した。被害者の部屋には防犯カメラはなく、通路やトイレ、別の部屋にはカメラがあるというものだ。

まず、通路のカメラに映るなど被害者の部屋に出入りしていた職員をピックアップ。その上で、犯行が行われたとされる時間帯に現場にいなかった職員について、勤務記録などから「犯人ではない」と排除していった。
つまり「消去法」で残った小鳥被告だけが犯行が可能だったという指摘だ。

一方、弁護側は…
「2件は不幸な事故であり、暴行によって起きたものではない。警察と検察は職員による入所者虐待と決めつけ、たまたま出勤していた小鳥被告を犯人にした。2人のケガは意図的な暴行によるものではなく、事件ではない」などとして無罪を主張した。

初公判を前に、取材に応じた中江さんの長男は…

中江さんの長男:
真相が分からない。何があったのかを聞きたい

事件発覚から4年。裁判で真相は明らかになるのか。

(東海テレビ)

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