医療提供体制も改善 初めて「緑」に
「救急患者の受け入れはまだ影響をうけているものの、通常医療との両立が可能な状況にあると思われます」 東京都のモニタリング会議では感染状況と医療提供体制の警戒レベルを、最も高いレベルの赤から橙、黄色、緑の4段階で表しているが、医療提供体制について先週の黄色から引き下げ、初めて最も低い「緑」にした。

一方で東京都医師会の猪口正孝副会長は、「感染拡大のリスクが高くなる冬に備えた体制整備が必要」とクギをさした。 感染状況は、10月28日以降、緑になっている。
夜の街に中高年が・・・
「深夜帯を含む全ての時間帯で、中高年層が若年層を上回っています」 夜の繁華街の人出については、夜22時から24時の時間帯は小幅な増加にとどまっているが、18時から22時は前の週より8.5%増加、4度目の緊急事態宣言中の平均より54.1%増えている、との分析が示された。

東京iCDCの賀来満夫専門家ボード座長は、夜の繁華街に繰り出す若年層がやや減少傾向にあるのに対し、中高年層が顕著に増えている、と指摘した。
ブースター接種必要
「ブースター接種の実施をしっかりする必要があると思われます」 都が行った調査によると、「機会があればワクチンの3回目接種を受けるつもり」と答えた人が全体の64.3%を占めたという。年代別に見ると、70代では8割を超える人が、3回目の接種に意欲的だった反面、20代は5割程度にとどまったとのこと。

この調査結果について、高齢者は、早い段階で接種が開始されたため、免疫が低減している心配がある反面、若年層は2回目の接種を完了していない人もいる現状を反映したものでは、との見方も示された。 賀来座長は3回目の追加接種の必要性を強調した。
感染状況、医療提供体制とも警戒度が最も低くなったものの、専門家からは、引き続き「ワクチン接種の推進」と「基本的感染予防対策の徹底」が呼びかけられた。 世界で再び感染が拡大する中、どこまで抑え込めるかは、これまで同様一人一人の行動にかかっている。
(フジテレビ社会部・都庁担当 小川美那)