長野県山ノ内町の人気ラーメン店が、コロナ禍で需要が落ち込む地元産のそば粉を活用した新メニューを開発した。名物の「つけ麺」とのコラボレーションだ。
コロナ禍で消費7割減 ピンチのそば粉を使用
11月8日、山ノ内町の道の駅「北信州やまのうち」で開かれた新メニューの試食会。麺をつけ汁にくぐらせてすする「つけそば」だ。

手がけたのは、町内の人気ラーメン店「山ノ内大勝軒」の店主・田内川真介さん。看板メニューのつけ麺のようだが、使っている麺は「そば」だ。
山ノ内大勝軒・田内川真介さん:
大勝軒のスープが、山ノ内のそば農家さんのお役に立てればと

山ノ内町須賀川地区はそばの産地として知られているが、新型コロナウイルスの影響でそば祭りが中止となったことなどもあり、そば粉の消費量は例年に比べ7割ほど落ち込んだと言う。
2020年、志賀高原に山ノ内大勝軒をオープンした田内川さんは、町出身で「つけ麺の生みの親」ともいわれる故・山岸一雄さんの弟子だ。

師匠のふるさとのピンチを助けようと、そば粉の消費拡大のため新メニューの開発に乗り出したのだ。
麺は倍の太さ、こだわりのつけ汁もアレンジ
麺はそばの香りを強く感じられるよう、通常のそばの倍ほどの太さに。つけ汁は麺に負けないように大勝軒で使っている甘酸っぱい汁を一晩寝かせ、よりうま味を引き出した。

山ノ内大勝軒・田内川真介さん:
そば粉自体がおいしいですよね。香りとか甘味とかが強い。(麺とつけ汁が)強い・強いでぶつけるから、ちょうどバランスよく、いいところを引き出してくれる
試食させていただくと…。
記者:
そばの香りと濃厚なつけ汁が、とてもよく合います。うま味と風味が口の中に広がります

新メニューに町も期待を寄せている。
山ノ内町・竹節義孝町長:
新メニューとして出ることが地域振興、そばの振興、町の観光振興になるのでは

新型コロナの感染状況が落ち着き、少しずつ観光客が戻ってきている山ノ内町。新メニューは、12月初旬から道の駅で提供する予定だ。
山ノ内大勝軒・田内川真介さん:
観光のお客さまはもちろん、山ノ内の皆さんにも食べていただいて、喜んでいただける商品を須賀川の皆さんと一緒に頑張っていきたい
(長野放送)