深まる秋に日帰り登山の魅力をご紹介。森の奥、自然の木々を額縁にして名峰・剱岳を望むことができる「笠尻山」に登ると、紅葉真っ盛りの美しい景色に出会った。

黄色い落ち葉のじゅうたんを楽しみながら

富山県上市町の笠尻山、標高629.2m。かつては藪に覆われていたが、今は地元の人たちが定期的に登山道を整備している。

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登山口は、上市町の市街地から県道46号・上市北馬場線を進み、途中の折戸峠を過ぎたところの道路沿いにある。山頂までは40分ほど。

富山県警山岳警備隊の元隊長で、登山グループ山凱会の谷口凱夫さんに案内してもらった。

矢野美沙アナウンサー:
きょうの山歩きポイントは?

山凱会・谷口凱夫さん:
笠尻山は、剱岳の眺めが非常にいい山です。私たちみたいな高齢者でも手軽に登れる山。きょうはちょうど紅葉がきれいかもしれません

矢野美沙アナウンサー:
登山口の標高は約400mです。そこから標高差200mを上がっていきます。このあたりは紅葉がちょうど見頃ですかね

矢野美沙アナウンサー:
「笠尻石の山神さま」と書かれています。この石、岩のことですかね。確かに苔むしていて神聖な感じもします

地元の人たちが名付けた「石の山神さま」。願い事をすると、ご利益があるんだとか…。

登山道に現れた「石の山神さま」 願い事をかなえてくれるという

矢野美沙アナウンサー:
この辺りは、見上げても足元も紅葉

ブナやナラなども茂る笠尻山。途中、ところどころ急こう配となっているので、ゆっくりと木々の彩りを楽しみながら進んだ。

足元をしっかり確認しながら進む矢野アナウンサー

ついに山頂へ…木々に彩られた名峰を望む

矢野美沙アナウンサー:
正面の木が鮮やかですね。ここが山頂です。剱岳が正面に

山凱会・谷口凱夫さん:
ここは額縁になる。葉っぱがあると、自然の木々の額縁に入ったような剱岳を眺められる。それがいいところ

矢野美沙アナウンサー:
1枚の絵のようになりますね

山凱会・谷口凱夫さん:
そう。今はちょっと逆光だから山がきれいに出ていないけど、もう少ししたら雲も落ち着くから。待っていてください

矢野美沙アナウンサー:
良い展望台ですね

木々の合間から顔を見せる岩と雪の殿堂、剱岳。登山口からわずかな時間でこの景観に出会えることが、笠尻山の魅力だ。

繁殖期を迎えたクモが残した“冒険の跡”

この日は下山後、少し足を延ばして上市町伊折にある剱岳の登山基地、馬場島方面へ向かった。
錦に染まる森の奥には、雪に覆われた剱岳の鋭い岩峰が見える。

ここで、晩秋の太陽に輝く無数の糸を見つけた。

繁殖期を迎えたクモの「バルーニング」と呼ばれる現象。糸を吹き流し、新たな生息地を求めて風に乗って空中を移動する、小さな命の冒険。古くは「雪迎え」とも呼ばれ、雪の前触れといわれてきた。

名峰・剱岳のお膝元で、秋から冬への移り変わりを感じた山歩きだった。

(富山テレビ)

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