今回はショップやレストランといったモノやサービスを提供する場所でのインバウンド対策をコミュニケーションの視点から、観光庁が実施した「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」(※1)を参考にして考えてみました。

コミュニケーションへの不満を解消する簡単な方法

アンケートで、訪日外国人旅行者が日本滞在中に最も困ったこととして挙げているのは、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない(28.9%)でした。また、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ(13.3%)も3番めに多く回答されています。

外国人のお客様と十分にコミュニケーションできる語学力を持ったスタッフを揃えられれば容易に解決できそうなことですが、それは多くの場合で現実的な方法ではありません。

比較的簡単な解消方法として考えられるのは、やはりホームページやパンフレットなど文字を用いて説明することです。専門的な内容でも平易な言葉で文章化し、それを英語をはじめ各国の言葉に翻訳することはそれほど難しい作業ではないでしょう。人選を入念に行う必要はあるものの、クラウドソーシングを活用するなど、工夫次第で品質・費用・作業量といった諸条件もクリアしやすくなります。
 

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素材やサイズ、製法、歴史などをアピール

しかしながら、さらに積極的に訪日外国人を集客しようと考えた場合、こういった対策だけでは不十分とも言えます。先程あげた方法は情報を効率よく伝達するメリットはあるものの、人間的なコミュニケーション、日本の文化体験といった部分で物足りなさが残ってしまうのがその理由です。

世界的に評価の高い「おもてなし」を体験してもらう機会を提供してこそ、言葉の壁を超えた日本らしいコミュニケーションと言えるのではないでしょか。

ファッション関係のショップであれば、「できるだけ試着可能にする」「各部の寸法を表記する」「素材へのこだわりや製法、歴史などを図解を交えて解説する」など、立体的に商品をアピールしてコミュニケーションの円滑化を図ることが考えられます。
 

ベジタリアンやヴィーガン向けの詳細なメニュー説明

またレストランであれば、欧米からの旅行者に多い「ベジタリアンやヴィーガン(※2)のための詳細なメニューの説明」といったような、ニーズをとらえたコミュニケーションが喜ばれるでしょう。

習慣や宗教にかかわることは文字だけでなく直接会話することで安心感が得られますし、ほんの短い時間とは言え相互理解を深めるきっかけにもなります。

今回は、訪日外国人旅行者からの不満として挙げられる項目の中で高い割合を占める「コミュニケーション」について、その対応方法を考えてみました。意思疎通を円滑にして、ぜひインバウンド対策にお役立てください。

 

※1観光庁「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」
http://www.mlit.go.jp/common/001171594.pdf

※2ヴィーガン(Vegan)とは、肉や魚に加えて、卵や牛乳など畜産や酪農による食品も口にしない人を指す言葉です。日本語では「厳格な菜食主義者」「絶対菜食主義者」などと訳されます。