31日投開票の衆議院選挙の中盤情勢について、FNNは23,24日、全国約15万人の有権者を対象に世論調査を行った。自民党は立憲民主党など野党5党が候補者を一本化した選挙区などを中心に苦戦を強いられていることがわかった。

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調査によると、自民党は40程度議席を減らす可能性があり、単独過半数を維持できるかは微妙な情勢となっている。自民苦戦の背景の一つに、立憲民主、共産、国民民主、れいわ、社民の5党が全国に289ある小選挙区の7割に当たる213の選挙区で候補者を一本化したことがある。さらに132の選挙区では事実上与野党一騎打ちの構図になっている。

4年前に与党勝利の選挙区で野党がリードも

与野党一騎打ちとなった132の選挙区のうち、98の選挙区では前回2017年の衆院選で与党の候補者が当選しているが、今回の調査ではこの98選挙区のうち20を超える選挙区で野党系の候補がリードしている。要因は様々な選挙区事情も絡むため一概には言えないが、野党による一本化が一定程度功を奏していると言える。

5野党が統一候補を擁立した213の選挙区のうち、立憲の候補に一本化されたケースが160選挙区と最も多い。共産は公示直前に多くの選挙区で候補者を取り下げ、立憲の支援に回ったことで、両党の協力関係が深まった。一方で、立憲の支持者には共産党と手を組むことに抵抗感を感じる人も少なくないとの指摘もあり、現場レベルの協力関係は地域ごとに濃淡がある。

維新に勢い 改憲議論に影響か

一方、「第3極」を目指す日本維新の会は、野党による候補者一本化には加わっていないため、“拠点”である大阪を中心に関西の多くの選挙区では「与党VS野党統一候補VS維新」の3つ巴の構図となっている。維新は、大阪の選挙区で優位に戦いを進めているほか、比例で議席を増やす見込みで、公示前の11議席から3倍近くまで議席を伸ばす勢いだ。与党への批判票の受け皿が、共産との協力関係を強める立憲から“維新に一部が流れている”との指摘がある。維新が躍進すれば、今後、憲法改正の議論などで与野党の間に割って入り、存在感を増す可能性がある。

公明党は公示前勢力の29議席維持が微妙な情勢だ。自民・公明を合わせれば、与党で過半数を確保できる見込みだが、国会の常任委員会で委員長ポストを独占し、国会の委員会でも与党が審議をリードできる「絶対安定多数」(261議席)には届かない可能性もある。

与党過半数維持でも選挙結果次第で政権運営不安定に

衆院選の勝敗ラインについて、岸田首相は「与党で過半数」との目標を設定している。与党で過半数を獲得すれば政権は維持できるが、来夏には参議院選挙を控えており、今回の衆院選の結果次第では、岸田首相の「選挙の顔」としての求心力が弱まり、政権運営が不安定になる恐れがある。

与野党ともに幹部が接戦区にテコ入れに入るなど、異例の短期決戦となった選挙戦は最終盤を迎える。