10月31日に投開票される衆議院議員選挙に向け、有権者の思いを聞く。新型コロナの影響が長期間に及び、大きな打撃を受けている観光業。今回の衆院選でどのように一票を託すのか取材した。

修学旅行が激減…観光客は過去最大の落ち込み

10月19日、沖縄を訪れたのは愛知県からの修学旅行の一行だ。この学校は2020年も沖縄を訪れる予定だったが、新型コロナの感染流行で断念。緊急事態宣言が9月いっぱいで解除されたことを受けて今回、初めて沖縄への修学旅行が実現した。

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生徒:
沖縄に決まる前は、行けるか不安だったんですけど、沖縄に行けると決まった時にはうれしかったです

2020年度、沖縄を訪れた観光客は2019年度に比べ約688万人減少。過去最大の落ち込みとなった。

2020年に修学旅行で沖縄を訪れた学校は395校、2019年より2003校少なく人数も7万人余り減少した。

その後も5度に渡る緊急事態宣言の延長などにより、観光のハイシーズンにあたる7月と8月もそれぞれコロナ前の3割程度と低迷している。

ホテルタイラ 平良一代表取締役:
今まで先輩方が築いてきた観光産業というインフラ自体が、ほぼ壊れかけている状況

こう話すのは、那覇市松山でビジネスホテルを経営する平良一さん。県内最大の繁華街に位置するホテルは、新型コロナの感染拡大で大きな打撃を受けている。

ホテルタイラ 平良一代表取締役:
旅行者としてのお客さんは、昨年度(2020年度)より少なかったです。コロナの影響ということで言えば、昨年度よりも悪いという状況です

状況を打開しようと関係団体と共に行政への要請を繰り返しているが、効果的な施策は乏しいと平良さんは肩を落とす。

国内客をターゲットにした新戦略が必要

ホテルタイラ 平良一代表取締役:
固定費というものはそれなりに大きいですし、そういったものに対して、ぜひとも県には大きな額で答えていただきたかったというのが本音です

全国的な感染状況の落ち着きから、「GoToトラベル」の再開を求める声もあるが、平良さんは新たな競争の始まりになるのではと指摘する。

ホテルタイラ 平良一代表取締役:
インバウンドが戻ってくるのが2年後、3年後と言われている中で、どうしても国内客をメインに沖縄県も我々も誘致してこないといけない

これまで沖縄観光全体の3割程を占めていた訪日外国人客、いわゆるインバウンド需要。数では国内客に及ばないものの、航空路線や大型クルーズ船の新規就航などで新たな観光需要を生み、好調な沖縄観光の原動力となっていた。

しかし、2020年4月以降は外国客のゼロが続いていることから、平良さんは国内客をターゲットにした新たな観光戦略が求められると指摘する。

ホテルタイラ 平良一代表取締役:
そういった面も含めて、我々の準備ができるまで何とか、行政の力で支えていただければありがたい

今回の衆院選、各候補者が経済政策の強化を訴える中、事業者の切実な声に向き合ってほしいと平良さんは訴える。

ホテルタイラ 平良一代表取締役:
要望を実現できる政党、または候補者に一票を投じていきたいと考えています

県経済をけん引する観光産業に再び活気を取り戻したいとの思いを込め、平良さんは一票を投じる。

(沖縄テレビ)

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