歩きながらスマートフォンを操作する「ながらスマホ」による事故が増えている。思わずヒヤリとする危険なケースに遭遇した。

ながらスマホ禁止条例

大きな事故やトラブルの危険をはらむ「ながらスマホ」。

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19日、東京メトロ千代田線の町屋駅前では、荒川区のパトロールカーが「そこの歩行者の方、歩きながらのスマホは禁止になっています。おやめください」などと注意を呼びかけていた。

毎日5時間、駅前の商店街や住宅街などをくまなくパトロール。
こうした取り組みを行う背景にあるのが、各地で相次ぐ「ながらスマホ」による事故の増加。

その対策として、荒川区は今年1月からながらスマホを禁じる条例を施行した。

条例では、公共の場所でスマホなどの画面を注視しながら歩くことを禁じている。
しかし、この条例に罰則規定はない。一番の目的は区民の意識を高めることだ。

危うい場面ヒヤリの瞬間

では、「NO!ながらスマホ」のメッセージは区民にどれだけ浸透しているのだろうか。

午前8時すぎ、JR日暮里駅の様子を見ると、ある男性はエスカレーターを降りてもスマホの画面に夢中になっているようで、ゆっくりと前を見ずに歩いていく。

横行する「ながらスマホ」。
実際、ヒヤリとする場面にも遭遇した。

スマホ片手に歩く女性、その後ろには男性次いで女性が歩いている。

すると次の瞬間、前の女性が突然立ち止まったため、男性が危うくぶつかりそうになった。

通勤ラッシュの時間帯も

朝だけではない。帰宅ラッシュの時間帯も同様だ。
ある少年はゲーム機を操作したまま歩いているが、前方から来た人と危うくぶつかりそうになっていた。少年はそれでもゲーム機を操作したまま前へと歩いていく。

スマホなどの操作は立ち止まって行うというルールを定着させたい荒川区。この日は警視庁、JR、区が一体となって、「ながらスマホ防止」を呼びかけた。

職員:
荒川区は今年の1月からながらスマホが条例で禁止となっていたんですけどもご存知ではなかったですか?ながらスマホが原因の事故やトラブルも今すごく増えていますのでしないように協力をいただけたらと思います

協力の呼びかけは、あくまでお願いベース。罰則の必要性を訴える声もあるが、区の担当者は区民への意識づけが何より重要と考えている。

荒川区・茶谷勇生活安全課長:
罰則を設けたとしても、すぐにながらスマホがなくなるかというと、それもまたちょっと難しい問題です。しっかりとまずは条例を周知する、これは本当に地道につなげてやっていくというのが一番大事だと思います。

大きな事故が起きてからでは手遅れ。スマホを利用する私たち一人一人が自身の行動を見直すことが求められている。

(イット!10月19日放送分より)