肉の値上がりが続いている。「ミートショック」と呼ばれる輸入牛肉の高騰が家計を直撃。飲食店でも値上げの動きが。
原因は何なのだろうか? そして、今後の値動きは?
大手牛丼チェーンの松屋が、9月28日から看板メニューである牛めしを値上げした。並盛は320円から380円に、大盛は430円から530円になった。

高騰する「輸入牛肉」
背景にあるのが輸入牛肉の高騰だ。アメリカ産牛バラ肉の卸売価格は2021年4月から上がり始め、8月は前年の2倍近くになっている。

炭火で香ばしく焼き上げられる牛肉のステーキ。ステーキチェーン店「炭焼ステーキ BEEF IMPACT」では、9月に約7.4トンの外国産牛肉を仕入れた。
大東エンタープライズ 木村和好さん:
高いもので、2~3割ぐらい仕入れ値が上がっている
夏から9月にかけて、1キロ約200円も仕入れ値が上がった。

輸入牛肉を使うことでリーズナブルな価格設定が人気だが、今後は苦渋の選択も…
大東エンタープライズ 木村和好さん:
何とか価格は据え置きたいが、今後仕入れ値が上がるなら一部メニューの値上げも検討。原価の圧迫で厳しい状況
輸入牛肉の高騰「ミートショック」の原因は何なのだろうか?

食肉事情に詳しい宮崎晋一さんに聞いた。
なぜ輸入牛肉が高騰?
北海道食肉事業協同組合連合会 宮崎晋一 専務理事:
産地であるアメリカやカナダやオーストラリアで、コロナの影響で人員不足となり生産できない。オーストラリアでは干ばつなど、天候の変化が影響
さらに、こんな要因も。
北海道食肉事業協同組合連合会 宮崎晋一 専務理事:
中国の景気が良くなるにつれて、大量に牛肉を輸入するようになった

札幌市厚別区の「ホクノースーパー中央店」では、9月から牛バラ肉100グラム約120円を、約200円に値上げした。「ミートショック」の影響は飲食店だけではなく、食卓にも及んでいる。

「食卓」にも広がる影響
買い物客:
値段が上がるのは厳しいですよね
買い物客:
輸入の割に高いと思います。それなら国産のものを買った方がいい
冷蔵の牛バラ肉が手に入らず、仕入れるのは冷凍品のみになっている。トレーを安いものに変えて、コスト上昇を何とか抑えようとしているが苦境が続く。

ホクノー 精肉部バイヤー 木下善雅さん:
これから、しゃぶしゃぶ・すき焼きの需要が増えて、牛肉を食べる機会が増えると思います。値段が高いので、家庭には大打撃だと思います
「輸入牛肉」から、さらに影響が広がる恐れも…
「ミートショック」は今後どうなるのだろうか?
北海道食肉事業協同組合連合会の宮崎晋一専務理事に見通しを聞いた。
高騰は年明けごろまで続く可能性があり、需要が国産牛肉にシフトすることで、結果的に輸入牛肉だけでなく「国産牛肉」も値上がりにつながるのではないか、としている。

値上げが続く秋。家計への打撃はしばらく続きそうだ。
(北海道文化放送)