高齢化にともない、全国で増加傾向にある難病の「パーキンソン病」。
この難病を専門に扱う、中国地方唯一の診療部門が、2020年に鳥取医療センターに開設された。
コロナ禍に船出を迎えた難病の拠点、その取り組みに迫った。

難病「パーキンソン病」の専門診療 中国地方で唯一の拠点に

鳥取医療センターにあるパーキンソン病センターで、リハビリに取り組む患者。

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中国地方で唯一、パーキンソン病を専門とする診療部門で、1カ月間の短期リハビリ入院をメインに、医師や理学療法士など専門のスタッフ約30人が、総合的にその治療にあたっている。

患者:
(最初は)何もないところでつまずくので、どうしてかなと思って。少しずつ悪くなった。家の中でも物に触らないと歩けなくなった

「パーキンソン病」とは、脳内の神経伝達物質「ドーパミン」を作る神経細胞が減少する病気で、軽い手足のしびれや震えなどの初期症状から始まり、病気が進行すると車いすや寝たきりなど、要介護状態となる。
くわしい原因はまだわかっておらず、完治できない国の「指定難病」。

令和元年度末時点でのパーキンソン病の患者数は、山陰両県で1,867人。
自覚がないだけで、実際にパーキンソン病に罹患(りかん)している人の数はより多いとみられ、高齢化にともない、その患者数は増加の一途だという。

鳥取医療センター パーキンソン病センター・土居充センター長:
60代から70代の患者が1番多い。根本的に治る病気ではない。いかに日常生活を困らず生活する状態をつくるかが大事

現在の入院患者は12人。
投薬による症状のコントロールとあわせ、できるだけ日常生活に戻るため、リハビリに取り組んでいる。 
その中の1つである歩行支援ロボットは、「歩きたい」という患者の気持ちに寄り添うリハビリになっている。

理学療法士:
足にかかる体重を軽くするもの。平行棒で歩けない方が、上にひっぱることで歩きやすくなる

カギは“早期発見”と“継続” コロナ禍でオンライン診療も

中国地方のパーキンソン病治療拠点として、センターが開設されたのは2020年12月。

コロナ禍による受診控えや、県境をまたぐ往来の自粛は、早期発見と継続的な治療がカギとなるこの指定難病にも逆風となった。
そこで、県外など遠方の患者の診療にはオンライン診療を織り交ぜ、対応する状況も生まれている。
コロナ禍で求められるパーキンソン病治療の在り方とは。

鳥取医療センター パーキンソン病センター・土居充センター長:
コロナで受診がままならない方もいるが、そういった広い範囲の方に、わたしたちの病院が役立つことができればと思う。収束したあとも、こうしたオンライン診療がさらに大事になってくる

完治しない難病…「患者と家族の負担減らしたい」

1カ月のリハビリ入院を終え、退院を迎えた女性。症状は、ある程度緩和された。
一方で…

患者:
(入院)4回目です。最初は良いけど、日がたつごとに動きが悪くなる

今の医療では、完治できないパーキンソン病。
入退院を繰り返しながら、病気の進行を緩和させることが難病を抱えながら生きていく、よりどころの1つ。

患者:
孫がいるけど、孫に追いつけない、1歳の孫に。つらい。面倒見ようと思っても、力が入らないので見れない。抱いてやろうと思っても抱けない、寂しい

鳥取医療センター・井上一彦院長:
家庭の慣れた生活の中で、同じような生活を続けたいのが普通。コロナのこともあるが、体の動きが悪い中でわざわざ来なくても、オンラインだけでわかる場合もあるので、患者と家族の負担を減らしていきたい

広域診療や病棟の周知など、課題とともにはじまったパーキンソン病センター。
中国地方の拠点として、高齢化の進む地域医療を支えるため、模索が続く。

(TSKさんいん中央テレビ)