2日間で2万1000発の花火、そしてドローンショー。
松江の“夏の風物詩”松江水郷祭の花火大会が、8月2日と3日の2日間、開催されました。
2023年から設けられている有料観覧席は売れ残りを防ぐため、2025年、「立見」など低価格帯の席が増やされましたが、思いがけない理由で売れ行きは不調でした。
岡本楓賀アナウンサー:
「花火開始まで1時間半前となった宍道湖南側です。今年も有料観覧席が設けられ、チケットを手にした人が次々と有料エリアに入場しています」
2日と3日の2日間開催された松江水郷祭。
会場の宍道湖周辺には、夕暮れの時間帯から大勢の観客が集まりました。
花火に先立って行われた「ドローンショー」。
機体の数が2024年の500機から888機に増やされ、バージョンアップしました。
かまいたち・山内健司さん:
「島根出身の私、山内が、島根の名所名物を紹介します。まずは島根のパワーポイント、出雲大社。そして、忘れてはならないのがこちら、山内」
かまいたち・濱家隆一さん:
「もうええわ」
ナビゲーターを務めたのは、人気お笑いコンビ「かまいたち」の2人。
松江市出身・山内健司さんと相方の濱家隆一さんが、ネタを織り交ぜながら島根の観光名所や名物を紹介しました。
観客:
「とても良かった。山内さんが出てくるところ、とても面白かった」
「山内さんのホクロが光っているところが面白かった」
“松江ならでは”の演出は好評だったようです。
そして、いよいよ湖上花火大会の開幕、2024年と並んで過去最も多い2日間で合わせて2万1000発の花火が夜空と湖面を彩り、観客を魅了しました。
観客:
「花火きれいだった」
「一番最後がすごくきれいで思い出に残りました」
松江水郷祭では持続可能なイベントを掲げ、売り上げを運営経費などに充てるため、2023年から有料観覧席を開設、2025年は最高12万円まで2日間で約2万8000席が用意されました。
岡本楓賀アナウンサー:
「こちら、国道9号上の有料観覧席です。先ほどまで車が走っていたんですが、今は観覧エリアとなり少しずつ埋まってきました」
このうち、2025年、本格導入されたのが「立見席」など低価格帯の席。
有料観覧席のなかで最も安い1人2000円で約7300席を用意、高い需要を見込んでいました。
しかし、開催約10日前の時点で、販売済みは470席余り。
高い価格帯の席が早々に完売するなか、販売率は6.4%と想定外の低調ぶりでした。
2日、取材してみると、国道9号線の片側を歩行者天国にしたこのエリアでは、半分程度が空席となっていました。
立見席の観客:
「チケットに書いてありますけど、どうなのかなぁっていう感じで。買う時はややこしかったかもしれませんね」
「大丈夫かなって思って買ったんですけど。一応内容は書いてあったので」
家族連れからは『立見席で座ってよいか…』戸惑ったという声。
チケットやホームページには、簡易のいすやシートの持ち込むなどして、座って見物してもよいことが明記されていましたが、猛暑の中、「立見席」という名称が「座れない」席と誤解され、低調な販売につながった可能性もあると主催者はみています。
一方、「立見」を除く有料観覧席は2025年、ほとんどの区分で9割を超える席が事前に販売済みで、導入3年目を迎え、有料席が市民や観光客の間に定着しつつあることがうかがえました。
主催者は2026年以降、席の名称を見直すなど、有料観覧席についてより分かりやすく情報を発信していきたいとしています。