地域で資源を循環させる醤油づくりが今注目されている。
いわゆるSDGsの取り組みが、島根・安来市で取り組まれている。新しい技術を通して資源を無駄にせず、日本酒から醤油を作りだしている。

「資源を有効に」酒蔵から仕入れた糠と酒かすが原料の醤油

絞りだされる醤油。この醤油の原料は米だ。

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しょうゆは大豆や小麦を原料に作られるが、安来市にある大正屋醤油店では、2020年8月から、米から造る醤油を販売している。
アレルギーの人に向け、グルテンフリーが特徴だ。
その名も「純米しょうゆ」。発売から1年が過ぎ、リピーターも多く、約2万本を売り上げた。

大正屋醤油店・山本周作専務:
資源を有効に使いたい。アレルギーを持つ人に食べてもらいたいという思いで開発した

柳瀬友美カメラマン:
この醤油の原料になっているのが糠です、白糠です

白糠は、精米の際に深く削ると出る糠。この白糠と日本酒を絞る時にでる酒かすが、「純米しょうゆ」の原料になっている。
使用する量は、酒かすと糠それぞれ年間約4トンにのぼる。

仕入れ先は市内の酒蔵で、県内一となる年間約15万本の出荷量を誇る吉田酒造だ。

吉田酒造・吉田智則代表:
市内の業者なので、連携させていただくというのは非常にうれしいことです。お米から出る糠、酒かすというのを使って、さらに商品にしていただくというのは、われわれにとっても非常にうれしいことです

新しい商品へアップサイクル重ね…無駄な廃棄なくす

酒米を削った時にでる大量の糠は醤油だけでなく、牛の飼料や酒米の契約農家の除草剤にも使用している。

島根県では、日本酒を作る際に年間約190トンの酒かすが出るということだが、約半分を廃棄。
この酒蔵では、醤油づくりに活用するだけでなく、さらに酒かすから焼酎を作っている。その際に年間14トンの酒かすを使用、無駄な廃棄はないという。

大正屋醤油店・山本周作専務:
月山(吉田酒造)さんは良い酒なので、良い醤油ができる。近くから運ばれてくるから輸送コストもかからない。環境負荷がかかっていないなと、やりながらわかってきた。リサイクルというよりアップサイクルしている

大正屋醤油店も吉田酒造も、地元・安来の米や大豆を使用し商品を製造。
その時に出る副産物の二次利用もまた、地元で行っている。
単なる循環ではなく、新しい商品へとアップサイクルを重ねながら原料の循環が行われていた。

安来を舞台にしたSDGsで、さらなる発展を狙う。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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