韓国
日本の現役外交官が、韓国に対し異例の苦言です。およそ40年の外交官キャリアの大半で韓国と向き合ってきた道上尚史・前日中韓協力事務局長は、韓国の大手月刊誌のインタビューで「対日関係を改善しようとする作業が見えず、即興的な反応や反発が目につく」と、韓国の外交姿勢を批判。韓国の国益における日本の重要性を理解せず、日本に関する研究が足りないと主張しました。
さらに「平均的な日本人の心が韓国から離れている。これは一時的な現象ではなく、構造的変化だ」と現状を分析。「我々は日本のことをよく知っている」という韓国の固定観念からは、何も生まれないと苦言を呈しています。日韓関係について「約束や礼儀を守る関係になることを望む」という道上氏の苦言が、韓国政府に届く日は来るのでしょうか?

中国・北京
中国のSNSで、4歳の男の子をめぐるある動画が話題になりました。ぶかぶかの防護服を着て、病院の廊下をたった一人で歩いているのは4歳の男の子。中国では幼児であっても、新型コロナ(ウイルス)の厳しい隔離が適用され、親と離れ一人で入院しなくてはなりません。
動画を投稿したのは男の子が入院した病院で働く看護師。「子供たちの姿を見ていると涙が出た。大人が着ても蒸し暑い防護服を着て、きちんと検査を受け、とても勇敢だった」と称えました。動画を見た人からは「かわいそう」「心が痛む」と同情の声が上がる一方、政府の対応を支持する人も。中国では福建省などを中心に12歳以下の子供の感染が広がっていて、対策に苦慮しています。

ロシア
与党が圧勝したロシアの下院選挙について、反体制派はSNSで「不正があった」とする証拠映像を公開し批判しています。これは下院選の投票所の映像です。画面右下にいる人が手に持っていた紙を投票箱に入れます。そして…脇から投票用紙とみられる束を出すと1枚・・・また一枚と次々に箱の中へ入れていきました。投票用紙であれば、「1人1票」の原則を破る不正行為です。
反体制派は独自に防犯カメラ映像などを入手し、各地で不正行為があったとして猛反発。選挙管理委員会は全ての投票を精査する方針ですが、政権寄りとされていて、選挙結果が覆ることはないと見られます。

タイ
こちらにずらっと並んでいるのはすべてタクシーです。こちらでは今、ある変わった取り組みが行われているんです。タクシーの屋根を見てみると、乗っているのは人では無く、野菜の苗です。新型コロナウイルスの感染が高止まりしているタイでは、厳しい規制でタクシーの利用客が激減。
地元のタクシー組合は、経済的な苦境が続くドライバーたちに食料を援助するため、使わなくなった車体の屋根を使って野菜の栽培をはじめました。タイ料理には欠かせない唐辛子や空心菜、重なったタイヤの中では食用ガエルの養殖も。
タクシー協同組合の組合長:「感染がなかなか止まらない みんな今はつらい。組合員のストレス解消にもいいと思った」
再びお客さんを乗せる日まで、助け合いが続きます。

米国・ロサンゼルス
映画の都に待望の博物館が完成しました。7メートルを超えるジョーズの模型も展示されていて、名作映画の世界を存分に楽しむことができます。天井から吊り下げられて牙をむく「ジョーズ」の模型に、「スター・ウォーズ」や「E.T.」のキャラクター。全て実際の撮影で使われた物です。およそ530億円を投じて完成した「アカデミー映画博物館」が、9月30日のオープンを前にメディアに公開されました。

「燃えよドラゴン」でブルース・リーさんが着た衣装から、アカデミー賞で授与された「オスカー像」まで、多岐にわたるコレクションは1300万点以上。映画に特化した博物館として全米最大規模です。記者会見には、設立に携わった俳優のトム・ハンクスさんも登場しました。
トム・ハンクスさん:
「映画の博物館は他にもありますが、アカデミー賞の主催団体がロサンゼルスに作ったこの博物館は、映画博物館のパルテノン神殿のような存在になるでしょう」
この大注目の施設で最初に開かれるのは宮崎駿監督の企画展。博物館は「世界中の人に愛されるジブリ映画の展示は人々の心を揺さぶるものになる」と期待を寄せています。

米国・ワシントン
アメリカで偽造したワクチン証明書を販売する業者が急増し、問題になっています。偽造した証明書は300ドル前後、日本円でおよそ3万3000円で販売され、その数は1万件以上との報告もあります。さらに、中国から持ち込もうとした偽造証明書が大量に押収される事件も起きました。
ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センター、アメッシュ・アダルジャ上級研究員:「ワクチン証明書の安全性が低いため、偽造コピーを作るのに高度な技術は必要ないです」
バイデン大統領が労働者にワクチン接種を義務付ける方針を発表したことも、偽造証明書が出回る一因と見られます。ワクチン接種に慎重な考えを持つ人が多くいる中で、その心理を巧みに捉えた犯罪といえます。

米国・ニューヨーク
2年ぶりに各国の首脳が国連総会に戻ってきました。国際的な課題に議論が交わされます。
記者リポート:「バイデン大統領の姿が見えますね。報道陣に手を振っていますね」
前年は事前収録のビデオによる演説でしたが、今回は100カ国以上の首脳などが出席する予定で、ワクチン接種が参加の条件となっています。

これはレストランなど屋内施設の利用に接種証明の提示を義務づけているニューヨーク市の要請によるもので、市は国連のそばにワクチン接種と検査ができるバスを派遣してサポートしています。しかし、ロシアやブラジルが接種は個人の自由だとして猛反発。はからずも国連の舞台で各国の考え方の違いが浮き彫りとなった形で、今後の議論が注目されます。
トルコ
トルコ軍に導入されたばかりの最新鋭、国産攻撃ドローンが今、私の目の前の上空を飛行しています。4回目の開催となる航空技術フェスティバル。目玉は新世代攻撃ドローン「アクンジュ(急襲者)」です。これまでの無人機と比べ、飛行性能が大幅にアップし、巡航ミサイルなど、多くの武器を搭載できます。開発企業のトップは「ここ20年、トルコは無人機に大きな投資をしてきた」と語ります。
バイカル社ハルク・バイラクタルCEO:「もはや戦闘能力ではなく、技術力だ。それをどう効率的に使うかが勝利の秘訣だ。無人技術やロボット工学、AIなどが最も重要視されている」
トルコ製無人機の注目度は高く、これまでも、アゼルバイジャン、ウクライナ、カタールなどに輸出。エルドアン大統領は「10カ国以上と新たに無人機の輸出契約を結んだ」と明かし、今後も国産兵器の輸出拡大をめざします。

フランス
フランス料理のお供に欠かせないワイン。今年の生産量がこの半世紀で最低となるかもしれません。農業省によると、2021年に見込まれているワインの生産量は33億3000万リットルで、ボトルにするとおよそ45億本分となる見通しです。(※1ボトル0.75リットルで計算)これは、前年と比べて29%も少なく、1970年以降の集計データで最低の数字となっています。
4月の急激な冷え込みで原料のぶどうに霜が降りたため、ぶどうが充分に育たず被害が広がりました。ワイン農家は火鉢を置くなどして懸命に対応しましたが、打撃は避けられなかったようです。

イギリス
イギリスではブースター接種が始まり、薬局にはこのように行列ができています。22日から一般市民への接種が始まった3回目のワクチン、いわゆるブースター接種。対象は50歳以上または重症化リスクの高い人たちおよそ3000万人?で、ファイザー製かモデルナ製のワクチンが使われます。
接種した人:「素晴らしい。接種出来て幸運だ」
薬局の担当者:「暗くて長い冬になりロックダウンもありうる。だからブースターが非常に重要だ」
また、学校での感染拡大を防止するため、これまで対象ではなかった12歳から15歳へのワクチン接種も始まりました。秋冬の感染拡大を想定し対策が進められています。

中国・上海
上海の森です。世界経済への影響が表面化してから最初の利払い日となる9月23日を迎え、恒大前は厳戒態勢がしかれています。広東省深センにある会社の前には、朝の7時過ぎから大型の警察車両が並び出した他、地下鉄の最寄りの出入り口は完全に封鎖されています。
しかし先の社債の格下げ公表などの当日に投資家らが押し寄せたのに続き、今回の利払い日も会社前で騒動がおきました。これまでに会社側は一部の利払いを表明していますが、今後も2022年1月まで毎月支払い日があります。また、その合計は1000億円規模にのぼるとみられることから、今後も金融市場をゆるがす恐れは残ったままです。

【取材:FNN海外特派員取材班】