大切な家族の一員である「ペットの避難」について考える。
災害発生時、命を守るために欠かせない避難所。宮崎市では最大229カ所に避難所が開設されるが、これまで犬や猫などペットの室内への持ち込みは原則禁止されていた。
この記事の画像(12枚)ペット受け入れ可能な避難施設が開設
しかし、2020年の台風10号の際、問い合わせが相次いだことから、宮崎市は宮崎大学や公立大学、佐土原総合文化センターなど、9カ所を「ペット受け入れ可能な避難所」に選定し、2021年からペットの避難を試験的に受け入れることを決めた。
宮崎市地域安全課・甲斐史哲課長:
避難者の中には動物が苦手な方、動物アレルギーをお持ちの方もいらっしゃるので、一般の方が避難できるスペースとは別に、ペットが避難できるスペースを確保できるところを選び、施設管理者の方と相談をしながら今回実現に至ったところです。
飼い主は必ずケージやキャリーを持参し、ごみの処理など責任を持って世話をすることがルールとなっている。
また、特別警報級の豪雨など大規模災害時には、清武総合運動公園の日向夏ドームを「ペット同伴専用避難所」として開放し、約100匹のペットが飼い主と一緒に避難することができる。
各避難所の混雑状況は「VACANサイト」で確認ができる。
宮崎市地域安全課・甲斐史哲課長:
指定避難所だけではなく、より安全な親戚の家、友人の家、ペットホテルなどもありますのでご検討いただきたい。ペット受け入れ避難所を利用される際には避難所のルールを守って、避難されたみなさんが安心して避難所を利用できるようにご協力をお願いしたい。
日頃から訓練をしておくことが大切
実際にペットと一緒に避難をすることになった場合、飼い主のみなさんは一体どんな準備が必要になるのか。
宮崎市にある、みやざき動物愛護センター。こちらではペットの避難に必要な準備物を展示し、日頃からの備えを呼びかけている。
みやざき動物愛護センター・永田美保所長:
必ずキャリーバッグやキャリーケースを用意していただいて、その中に入るように日頃から訓練をしておいてください。数日分のフード、お水、ペットシーツ、薬を飲んでいる子に関しては必ず薬を忘れないようにご持参ください。
また、避難先ではペットにトイレをさせる場所が確保できない場合もあるため、ペット用のオムツなどがあると役立つ。
ストレス感じないような環境づくりも大切
ノミやダニの駆除、予防接種も忘れずに行い、慣れない環境でペットがストレスを感じないよう、工夫することも大切。
みやざき動物愛護センター・永田美保所長:
キャリーバッグの中に普段使っているような匂いのついたタオルや敷物を入れておくとか、タオルや毛布で周りの環境が見えないように落ち着くような環境を作ってあげるというのも大事だと思います。
みやざき動物愛護センター・永田美保所長:
どんなものを用意しておくとか、どういう状況でペットを避難させるなどのシミュレーションをしておくと良いと思います。
飼い主にとって大切な家族の一員であるペット。人間同様、日頃からの備えが大切。ただ必要なものを準備するだけではなく、準備したものにしっかり慣れておくということが一番重要。
宮崎市以外の状況を見てみると、延岡市では延岡市役所や西階陸上競技場など50カ所、西都市では勤労青少年ホーム、日南市では日南市総合運動公園、多目的体育館など、県内各地にペットの受け入れを認めている避難所がある。
ただ、これらの避難所への避難は、あくまで受け入れの数には限りがある。
その他の避難先も見つけておくなど、大切な家族を守るために日頃からしっかりと準備を行うことが必要になる。
(テレビ宮崎)