若い世代にもオシャレと人気の「めんぱ」

地域によっては、「わっぱ」や「曲げわっぱ」とも呼ばれる木のお弁当箱。宮崎県諸塚村では「めんぱ」と呼ばれ、林業従事者を中心に愛用されてきた。

宮崎市にあるカフェショップ「ひむか村の宝箱」では、オープン当初の15年前から“宮崎の宝物”として諸塚村のめんぱを販売。その魅力を発信し続けている。

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ひむか村の宝箱・岩切宜子さん:
以前は女性や年配の方が多かったのですが、最近は若いパパたちが、自分用や子どもさんへのお弁当にと言って。なんだか今は、おしゃれなものとして使っていらっしゃる方も多いみたいです

底板には丈夫なスギ、まわりは香りのいいヒノキが使われている。めんぱに入れたご飯は、木が水分を吸収してくれるため、冷めてもおいしく食べられるのが特徴。

試食してみると、炊いて4時間ほど経ってもご飯の甘み、粒のふっくらした食感を味わうことができた。

塗料や接着剤は使わず、伝統工芸士が木だけで作る

また、2020年5月には諸塚村観光協会がネットショップ「もろつかストア」を開設。めんぱは人気商品となっている。

諸塚村観光協会・岩切愛子さん:
一番人気は「長めんぱ」。おすすめは伝統的な形の「丸めんぱ」です

諸塚村観光協会・岩切愛子さん:
諸塚のめんぱは、宮崎ではただ1人のめんぱの伝統工芸士、甲斐さんが作っています。作り方は、諸塚で70年以上かけてじっくり育った木をお湯につけて曲げ、桜の皮でとじて、竹の釘でとめて作られています

諸塚村観光協会・岩切愛子さん:
この工程も、甲斐さんがお仲間と作り上げられたものなんです。うるしやウレタンでの塗装や接着剤などは使わない、木そのものでできたお弁当箱になります

村内では、めんぱの愛用者が多く、家庭によっては世代を越えて1つのめんぱを使い続けているところもあり、地域に息づくお弁当箱。

諸塚村観光協会・岩切愛子さん:
色や模様も木目も、1つとして同じものはないのも特徴です。色の変化やご飯のデンプンと木が反応することで黒ずむことも、すべてが味となっていきますので、ぜひ長く使っていただきたいです

職人が愛情こめて作った諸塚村のめんぱ。愛情たっぷりの料理を詰めれば、心も体も元気になれそうだ。

(テレビ宮崎)

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