竹の有効活用で、放置された竹林の解消をめざす取り組みがある。伐採した竹から家畜用飼料や土壌改良材「笹サイレージ」を製造している宮崎県の企業を取材した。

無償で伐採、農家にも安価で供給

竹伐採専用の重機を使って20メートルほどに伸びたモウソウチクを伐採しているのは、宮崎県都城市に本社がある、大和フロンティア。

竹林の所有者から依頼を受け、無償で伐採作業を行っている。

この記事の画像(10枚)

伐採された竹は、都城市高崎町にある工場に運ばれ粉砕される。

パウダー状になった竹の粉に乳酸菌などを混ぜて、ビニールで梱包。40日間発酵させて「笹サイレージ」を製造している。この笹サイレージは県畜産試験場と共同で開発し、2015年から製造販売されている。

大和フロンティア 田中浩一郎社長:
竹を無償で伐採するということは、材料はそこら中にある無償のものです。だからこそ、農家さんに安く供給できる体制を作った

三股町で親牛118頭を飼育している繁殖農家は、2018年から笹サイレージを与えている。

和牛生産者 木下辰郎さん:
(笹サイレージを入れると)餌をよく食べるのと、敷料として床に撒くので、匂いも軽減されストレスも軽減される

13都県で発生している“サツマイモ基腐病”の予防にも

カビの一種の菌が原因で、茎やイモが腐るサツマイモ基腐病(もとぐされびょう)により、串間市などの食用甘藷(かんしょ)の生産地は大きな被害を受けている。

笹サイレージは、基腐病の発生を抑える土壌改良材としても注目されている。

都城市の農業生産法人では、サツマイモ基腐病を予防しようと、10アールあたり200キロの笹サイレージをすき込んで甘藷を栽培している。

農業生産法人 迫田嘉正専務:
鹿児島や串間市で基腐病が発生しているという中、(圃場試験では)良い方向の結果が出ている。笹サイレージを投入する一つのきっかけにもなっています

サツマイモ基腐病は、茨城や千葉など13都県で発生が確認され、全国に拡大している。

大和フロンティアでは発生の予防対策にと、笹サイレージを使った圃場試験や南九州大学との共同研究も進めている。

放置竹林解消の取り組みに他県も注目

大和フロンティア 田中浩一郎社長:
他県からも放置竹林対策事業が注目され、視察にも来られます。(笹サイレージで)放置竹林の解消に向かっていけばと思っています

家畜の飼料に加え、土壌改良材としての竹の有効活用は、放置竹林の解消にもつながる取り組みとして注目されている。

笹サイレージを製造販売している大和フロンティアは、放置竹林対策などについて都城市や三股町と包括連携協定を結んでいる。

今後は、児湯郡と鹿児島県さつま町に竹の粉砕工場を増設し、業務を拡大する計画だ。

(テレビ宮崎)