聖火ランナーが使用した“COGY”

パラリンピックの聖火ランナーが乗っていた車いす。
その操作に使っていたのは、手ではなく足。

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これは、足こぎ車いす「COGY」。
28日から、自転車販売店「ダイシャリン」の店頭での販売が始まった。

片足がわずかでも動かすことができれば、ペダルをこぐことができるというCOGY。

右足をこげば勝手に左足が出てくるので、片足でこぐことができる。
足が前へ前へと進んでいき、さらに、簡単にレバーで回転ができる。

わずかな力をかけるだけでペダルが前に出ていき、この動きが「原始的歩行中枢」という脊髄を刺激。
すると、もう片方の足が反射的に動くという、人間の本能を応用しているという。

ブレーキや方向転換は、手元のハンドル一つだけ。
さらに、後ろにタイヤを付けたことで、 ハンドルを大きく傾ければ旋回ができ、狭い場所でも向きを自由に変えられるようになっている。

高齢化社会にも対応

シナネンサイクル・中西信昭代表取締役社長:
これから特に高齢化社会になっていく。そういう中で、足腰が弱くなっていく人がどんどん増えていくと思うが、そういう人も乗ってもらうことによって、足腰を鍛えてもらうというか、保ってもらう。そういうことが可能な車いすになっています。

デンマークやベトナムなど10カ国以上で展開し、累計6,000台以上の販売実績があるCOGY。
海外でも注目が高まっている。

これまではオンライン中心の販売だったが、なぜ店舗での販売を始めたのか。

シナネンサイクル・中西代表取締役社長:
今まで、こういうものを見たことがない人がたくさんいると思うが、これからどんどんそれを見る機会、触る機会、乗る機会をわれわれが提案することで、より幅広く、より多くの方に広めていきたい。

大型スーパーなど、多くの人が行き交う場所に店舗を構えることで、障害がある人への理解を促進する狙いもあるという。

2022年度からは、ダイシャリン36店舗での展開と、法人向けの卸売りも開始する予定だ。

(「Live News α」8月30日放送分)