火や水に強いものなど進化形段ボールが次々に登場。これまで使われていなかった場所で様々に活用されている。

めざましテレビ「ココ調」班は、部屋の中のものがほとんど段ボール製という人を発見。大きく進化した段ボールの活用法を調査した。

東京・両国国技館に設置されたワクチンの接種会場。並んでいるたくさんのパーティションは、実は段ボールでできていた。

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実はこの段ボールの製造元に聞いてみると…

ムラヤマ開発販売担当責任者・塚田比佐夫さん:
強化段ボールというものになりまして、丈夫で素材が軽くて非常に安く、ご好評頂いている商品ですね

今、段ボールの素材自体が強くなり、様々なアイテムが誕生。取材を進めるとピンクや黒、木目調の家具や織物ができる手織り機など、意外な段ボールグッズがいろいろ見つかった。

さらに子供向けの遊具・滑り台や、シェルター、テントまで段ボール製のものが登場していた。

素材も進化して火を付けても燃えにくい「シリカダンボール」と呼ばれる進化型も誕生。今回は進化する段ボールアイテムをご紹介。

段ボールで作った耐荷重1000kgのおしゃれ椅子

大学生が作ったという、まるで高級家具のような高いデザイン性の椅子。

さらに美しいだけではなく、段ボールとは思えないどっしりしている。

カミカグ代表・和田さん:
段ボールってすごく強い材料で私たちのモノでちょっと実験したことがあるんですけれども、500kg~1t(1000kg)くらいまで耐えられることがわかっています

こちらの椅子のお値段は9900円。他にも段ボール製のローテーブルなどを「カミカグ」のホームページで販売している。

店内の棚が段ボールで作られている

続いて訪れたのは東京白金台のチョコレート専門店「CACAOCAT 白金台店」。

こちらの店では、店内のおしゃれな棚も段ボールでできている。

棚を裏側から見ると、段ボールで作られていることがよくわかる。

なぜ棚に段ボールを使っているのか…

CACAOCAT白金台店デザイナー・飯塚龍平さん:
私達のお店の商品を展開してくれるポップアップショップっていうのをやって頂いているんですけど、店の感じも一緒に提供したり、(棚などを)畳んで配送することも可能な段ボールで作って頂きました

普通の棚を買うよりも安く済み、軽くて設置も簡単なのがメリットだという。

テーブルやハンガーラックなどリメイク多数

この段ボール製の棚を作ったのは、東京・台東区「豊栄産業 東京支社」。

事務所を訪ねてみると、立派な机も確かに段ボールで作られている。

こちらで見つけたのは、ピンクのラックとハンガーパンダの置物がセットになっている「ハンガーラック&チェスト」(8580円)。

また、アルコール消毒のスタンド、ペンギンのオブジェ、さらに作り付けの棚が付いている壁もすべて段ボールでできている。

段ボール製の「3段マルチラック」(5720円)をスタッフが組み立ててみると、約30分で完成。

木製に比べて軽いので動かすのもラクラク、処分する際も古紙として出せるので、費用もかからずお財布にも地球にも優しいという。

またSNSを調べると、一般の人が段ボールで家具や遊具などを作ったという投稿を発見。

家に段ボールクッズが約30種類

そんな中、こちらの方は…

七鶴さん:
この茶色く出来ているもの(ラックや棚)はほぼ段ボールです

机の上の収納はすべて段ボール。

さらに上の方にも…

七鶴さん:
この四角形でできている箱もこれもあとこれも段ボールです

収納の棚だけでなく、紙の造花を飾り付けた花瓶のような黒い器、色紙を収納するマルチ棚も段ボール製。

さらにベッドサイドテーブルやアクセサリー作品を飾るボードもすべて段ボールで作られているそう。

これら約30種類の家具や器を2年ほどかけて作成し、その費用はたった2500円ほどだという。

七鶴さん:
簡単で自分の好きなサイズで作っております

加工がしやすく、自分の部屋や収納したいものに合わせたサイズで作れるため、使い勝手の良いものにできるのがポイント。

水や火に強い「シリカダンボール」

様々なアイテムが生まれる中、進化したダンボールを発見。

秦​永段ボール代表取締役・小澤範雅さん:
このシリカダンボールは火に強く、水に強い。燃えないところが特徴なんですね

シリカダンボールは、お菓子などに入っている乾燥剤の元となるシリカでコーティングしているため、水にも火にも強い究極の段ボールだという。

1カ月間水につけると、普通の段ボールはヘロヘロになってしまうが、シリカダンボールはしっかりと形をキープしている。

水に強いため、非常用のトイレの材料としても使え、早ければ2022年から養殖用の「魚のすみか」としても活用される予定。

さらに火にも強く、1300℃のバーナーで炙ると普通のダンボールは燃え広がるが、シリカダンボールは変色はするものの、燃え広がることはない。

実際に防災用の帽子などにも使われているのだとか。「シリカダンボール」は通常の段ボールに比べて5倍の強度があるという。

段ボールで作った高さ3メートルのテント

さらに秋に販売予定の段ボールで作られたテント「DAN DAN DOME」(予定価格10万~20万円)。高さは3メートルある。

実際に中に入ってみると柱がなく広々…

ココ調スタッフ:
中は広いですね…

ネジや釘は使われておらず、組み立てに特別な工具も必要ない。

この段ボール製テントはイベント会場や被災地の仮設住宅などに使うことを想定して作られた。

このテントについて担当者は…

日本トーカンパッケージ包装開発センター長・佐藤康博さん:
耐水性を持たせているので外に置いといても大丈夫だと思います

独自のラミネート加工で水にも強いため、屋外でも使用可能。普通のテントとは違い不要になればリサイクルもできるという。

三宅正治キャスター
軽いから1人暮らしの女性でも扱いやすいだろうし、火と水にも強いというのは驚きですね。まだまだ色々な用途がありそうですね

(「めざましテレビ」9月1日放送分より)