静岡市の防災用品会社が、日常の中で「防災」を意識するきっかけにしてもらおうと、ある商品を開発した。
キーワードは「さあ、防災を持ち歩こう」。
長年、防災用品にかかわってきた業者の思いがつまった商品とは?
「防災ずきん」を100万枚以上出荷
静岡市で防災用品を企画・販売するファシル。1975年の創業以来一つ一つ手作りで作られている「防災ずきん」は、静岡県内外の学校にあわせて100万枚以上を出荷してきた。

他にも、重さ300キロにも耐えられる「段ボールトイレ」など、様々な防災用品を製作してきたこの会社が新たに開発したのが、「防災ポーチ」だ。
皆が気軽に持てる防災用品を
ファシル・八木貴司営業本部長:
もっと身近に、気軽にみんなが防災用品を持てるような商品を作りたいという思いがありまして。品質とデザインを重視した、誰もが買いやすいような防災セット。そうすると防災ポーチがいいんじゃないかと

サイズはS、M、Lの3種類で、価格は一番安いもので1000円台から。
中には6点から10点の防災用品が入っていて、それぞれのアイテムにこだわりがつまっている。

居場所を伝える「安心ホイッスル」
ファシル・八木貴司営業本部長:
安心ホイッスルという商品ですが、3000ヘルツという人の耳に聞きやすい音域の音が軽く吹くだけで出ます。まずは命を守るという意味で、居場所を伝える手段というのは必ず頭に入れておいた方がいいと思います。笛は故障することもありませんし、非常にシンプルですが役に立つと思います

避難所で静かなポンチョ
さらに防寒対策や雨具としてだけでなく、着替えやトイレの目隠しになるポンチョは、素材に秘密が…。
ファシル・八木貴司営業本部長:
こちらがよく売っている、広く出回っているアルミポンチョの素材です。銀色の物が多いと思います。
片やこちらは今回開発した、私が着ている静音ポンチョの素材です。両方をもんでみますので、音に注目して頂きたいと思います
ファシル・八木貴司営業本部長:
こちらはよくあるタイプ、(ガチャ ガチャ)こんな音です。
こちら当社の静音ポンチョ、(カサ カサ)比べてみてください。
音の違いが非常にはっきりわかると思いますが、このサイズでこれだけ音がしますので、実際に避難所などでは音が静かなカサカサ音の少ないタイプの方が好まれることもあり、この素材を使っています。
他にも使い捨ての簡易トイレやウェットティッシュなど豊富なアイテムが、A4サイズより小さいポーチに収まっている。
大切な方への贈り物に
ファシル・八木貴司営業本部長:
防災ギフトとか、防災ノベルティという言葉が非常に広く使われるようになってきたので、大切な方へこういうものを贈ることも考えてみてほしいと思います。
このポーチを使わないことが一番ですが、まずは何も持っていない方に持っていただいて、そのうえで自分で必要なものをさらに入れたり、そういうきっかけになればと思っています。

いつどこで、どんな災害が起こるか分からない今だから。
こうした手軽なアイテムが、日常の中で「防災」を意識するきっかけを与えてくれるはずだ。
この防災ポーチはファシルのオンラインショップなどで販売している。
(テレビ静岡)