モーターの力でスイスイと公道を走る電動キックスケーター。福岡の街中でも見かける機会が多くなった。
気軽に使える次世代の移動手段として注目されているが、マナー違反をする利用者も多く、普及するには課題も山積み。
シェアリングサービス実証実験を開始
電動キックスケーター利用者：
ロフト（天神南地区）から大名（天神西地区）に行くのに暑いじゃないですか。歩くのちょっと距離があるなと思って。すごく便利ですよね。
2021年4月から国の特例措置を受けた福岡市の会社がシェアリングサービスの実証実験を開始。7月末までに約1万人が利用している。
「mobby ride」日向諒社長：
正しいルール設計や整備というところをしつつ、手軽な移動手段として普及していければいいなと思います。
実証実験は、公道での安全性を確かめることが目的で、福岡市も普及に向け協力している。
高島宗一郎福岡市長：
コロナという中でできるだけ密を避けて移動したいというニーズがある。移動手段として気軽に使ってくれることを期待しています。
電動キックスケーターの利用方法
密を回避する移動手段としても関心が高まっている電動キックスケーター。その利用方法は？
阿江保智アナウンサー：
こちらのmobbyのQRコードを読み取っていきます。
このサービスを利用するには普通自動車免許が必要。事前登録を済ませるとすぐに乗車が可能となり、福岡市中央区にある20カ所の専用駐輪場で借りることができる。
またこのシェアサービスは、特例措置でヘルメットの着用は任意となっている。
阿江保智アナウンサー：
足で蹴りながらアクセルをかけると、進んだ、進んだ。風を感じられてすごく気持ちがいいです。
まずは、道幅約6メートルの公道を走行。
阿江保智アナウンサー：
小回りもすごく利いて動きやすいと思います。
そして、交通量が多い大通りへ。広い道路では車道の左側か自転車レーンを走ることができる。
阿江保智アナウンサー：
今、バスが側を通っていきましたね。すれすれを通っていったので圧迫感を感じました。
利用料金は最初の30分150円
電動キックスケーターは最高速度15km。車の走行の妨げや利用者の安全を考慮して運営会社では、渡辺通りや昭和通りなどの幹線道路は通行禁止エリアとしている。料金は、最初の30分は150円、以降1分ごとに5円かかる。
阿江保智アナウンサー：
ずっと立っていので足に力が入っている状態ではありました。それでもスイスイ行くので便利だなと思います。
仕事に活用する企業も
この電動キックスケーターを仕事に活用している企業がある。
ーーいまからどちらに？
「西日本シティ銀行薬院支店」渉外営業担当・林田光さん：
今からこのモビー（電動キックスケーター）を使ってお客さまのところに営業に行きます。
西日本シティ銀行の薬院支店では、2021年5月から取引先への営業回りで電動キックスケーターの利用を始めた。これまで徒歩で15分かかっていた営業先だが、電動キックスケーターを利用するとたった5分で到着する。また時間の短縮だけではなく営業先ではこんなメリットも…。
「manu coffe」福田雅守社長：
気持ちよさそうだなと思って。
「西日本シティ銀行薬院支店」渉外営業担当・林田光さん：
夏の間は歩くよりもこっちの方が動きやすいので。
営業先で話題になることが多く「いい雰囲気」で商談に入れるという。
「西日本シティ銀行薬院支店」渉外営業担当・林田光さん：
お客さまに行きやすくなったというのと利便性があがっているので、訪問回数があがっていることがあって、営業成績はあがっていますね。
人混みでも走行…相次ぐ危険走行も
一方で、歩道で人混みを縫うように走る人や、電動キックスケーターに乗ったまま混雑する駅構内に入る人など危険な走行が問題に。
電動キックスケーター利用者：
人に迷惑かけなければいいかな。
福岡と同じく実証実験が行われている東京では、違法走行やマナー違反をする人が急増している。そして悪質な利用者は福岡でも見られる。
阿江保智アナウンサー：
反対側の車線を走ってますね。
公道を逆走する男性。しかも、ナンバープレートが付いていない。道路交通法上、市販の電動キックボードは「原動機付き自転車」に分類され、ナンバープレートの取り付けやヘルメットの着用が義務付けられている。
福岡県警によると、2021年4月下旬から交通違反で検挙された数は、14件にのぼるという。
一部のルール違反が普及の足かせとならないようにルールをもっと周知することが重要だと日向社長は考えている。
「mobby ride」日向諒社長：
すごくルールがわかりづらい乗り物なので、しっかりと僕らがルールの確認や啓発をやっていって、正しくルールを知った上で安全に楽しく乗ってもらえたらと思っています。
福岡市での実証実験は10月末まで行われることになっている。
（テレビ西日本）
