来月11日には1日2406人感染も
「新規陽性者の増加比は継続して上昇し、感染が急速に拡大しています」
東京都のモニタリング会議では新規感染者数の7日間平均が前回の625人から190人以上増え817人、増加比も前回の124%から131%に増加との分析が示された。
国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、このペースで感染者が増えると、2週間後の28日には1日の新規感染者数が1402人、4週間後の来月11日には2406人となり、今年1月の第三波ピーク時の1816人を大きく超える、と強い危機感を示した。

40代の職場内感染が増加
感染経路別にみると家庭内感染が53.4%と最も多く、次いで職場内感染が20.1%、会食7.2%、施設内6.2%。
職場内感染は、感染者数とともに、全体の中での割合も18.4%から20.1%に増加。
職場内感染を年代別に見ると、40代の感染者が増え、3割にのぼっている。
若年・中高年の入院が急増
「若年・中年層を中心とした新規陽性者数の急速な増加にともない、入院患者も急増しています」
東京都医師会の猪口正孝副会長は、こう述べた上で、入院患者は、50代が最も多く21%、40代の20%とあわせると全体の4割が中高年にあたる。40代と50代、その一方で、30代以下も33%にのぼり、若年・中高年の入院が急増している、との分析を示した。

人流の「その先」の行動が重要
「人流は前みたいに上がってはいないけれど、個人個人の感染予防の行動がしっかり取れていない可能性があります」
東京iCDC専門家ボードの賀来満夫座長は、フジテレビの取材に対し「人流の“その先”の行動」が重要、と警鐘をならした。
つまり、出歩く機会をせっかく減らしても、その先でマスクをせずに話をするなど、感染を引き起こす行動をとっていたら、感染力の強い変異株の影響とあいまって感染者は増えていく、ということだ。
賀来座長は「皆さん疲れていると思うが、原点に立ち返って感染予防対策を行うことが重要」と改めて対策の重要性を述べた。
「50代問題」が如実に
「いわゆる『50代問題』が如実に、ここへきて深刻な状況として現れているかと」
小池知事は、まだ体調が完全ではないのだろう、ややかすれ声でこう述べた。
さらに小池知事は、50代は企業や職場などで部下を管理する立場かと思うが、仕事後の部下との会食などが家庭内感染につながることもあるので、しっかりと職場単位で感染を防いでいただくように、と呼びかけた。

30代基礎疾患なしでも死亡、ワクチン届かぬ年代で…
20代、30代の感染者が5割程度と多く、13日には30代で基礎疾患のない男性の死亡も確認された。
保育園でのクラスターが相次ぐ中、重症者の中には10歳未満の女児も確認された。
そして、40代の職場内感染増加、「50代問題」と、ワクチン接種が進んでいない年代での感染の広がりが、はっきりとしてきた。
自粛疲れが重なる中、連休、夏休み、オリンピック・パラリンピックを迎える東京。
個人個人の予防対策はもちろんのこと、ワクチン接種の加速、ワクチンを接種できない人の検査体制強化など、一刻も早い対応が求められている。
(執筆:フジテレビ都庁担当 小川美那記者)