感染が再拡大 9割以上が50代以下
「新規陽性者数の増加比が高い値で推移しております。感染が再拡大しております」
7月8日に行われた東京都のモニタリング会議では、新規感染者数の7日間平均が前回から120人以上増え625人となり、増加比も124%であることが示された。
国立国際医療研究センター大曲貴夫国際感染症センター長は、このままのペースでいくとオリンピック期間中の7月28日には、1日あたりの新規感染者数が1192人になる、との分析を示した。

年代別では20代が31%で最も多く、全体の9割以上が50代以下だった。
中高年の職場感染と入院患者が増加
経路別にみると、これまでと同様、家庭内感染が最も多い48.8%。次いで職場感染が前の週より増え18.4%となった。
この職場内感染をさらに年代別にみると、40代が前週の20.6%から25.8%に、50代が17.3%から27.3%に増え、中高年の職場での感染が増えている。

「6月以降、若年、中年層の入院患者の割合が増加している」
入院患者の年代別割合は、40代と50代の割合が合わせて約39%と高く、30代以下は全体の約32%を占めてるという。
東京都医師会の猪口正孝副会長は、この傾向が続けば若年・中年層の中等症患者が増え、遅れて重症患者が増加する可能性があるとして、入院医療体制の強化の必要性を強調した。
40代、50代が抱える感染リスク
「高齢者はワクチン接種が進んで重症者が減った。今、重症者が多いのは50代。中高年が非常に危ない」
都のある幹部は、さらに「50代や40代は、まだワクチン接種を受けられないうえに、テレワークをあまりしないので、会社に来てしまう。そうすると通勤途中、職場、食事(会食)など様々な感染リスクがあるので、そこをどう抑えるかだ」と話し、中高年対策を強化する考えを示していた。

感染対策「思い出ではなく改めて復活を」
「去年の今頃は職場でも消毒液を、みんなこうやってビチャビチャにしながら、毎日何十回と皆さん消毒されたり、手を洗ったりということをやっていたんですよね。それは思い出ではなくて、ぜひ今日から改めて復活をしていただく」
小池知事は、改めて基本的感染予防対策の徹底を呼びかけた。

そして、4回目の緊急事態宣言を前に、飲食店の酒提供が“急所”か?と問われると、小池知事は「いくつも急所がある」と答えた。
宣言疲れ、自粛疲れ、疲れが増すほどに対策も疎かになりがちだ。しかし、そうなると“急所”も増えていく。
ワクチン接種が先行き不透明となる中、“急所”は自分で無くしていくしかないのだろう。
(執筆:フジテレビ都庁担当 小川美那記者)