この記事の画像(3枚)

ワクチンデマを明確に否定

ワクチン接種を担当する河野規制改革相は24日、自身のブログを更新し、新型コロナワクチンに関する「実験用のネズミがすべて死んだ」「不妊が起きる」などのデマについてとりあげ、明確に否定した。

河野大臣は、職場や大学での接種が本格化した21日から、連日テレビ番組に出演しているが、最も強調するのがワクチンに関するデマについてで、24日朝に出演したフジテレビの「めざまし8」ではデマについて「1つ1つ潰していかないといけない」と語っていた。

また22日の全国知事会とのオンライン会議のなかでも「ワクチンデマが広がっているので、我々としてもきちんと反論してく必要がある」と強調しており、早速、自身のブログを投稿し、理解を求めた形だ。

ブログではまず、ワクチンに関するデマが流布された契機を解説した。ブログによると、EU=ヨーロッパ連合の外務省にあたる「対外行動庁」が2021年4月に公表した報告書のなかで、中国やロシアが、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンの信頼性を傷つけるような情報発信をソーシャルメディアなどを使って複数の言語で行っていると指摘しているという。

また、ブログで河野氏は「ワクチンに関する偽情報やデマを監視している団体によると、ツイッターとフェイスブックにあるワクチン関連の誤情報の65%はわずか12の個人と団体が引き起こしていることが確認されている」と記した。その上で、ワクチンデマを流す目的は、「1・ワクチンを批判することで得られる対価、2・科学よりも自分の信奉するイデオロギーに基づいた主張、3・過去に誤ったことを発言したために抜け出せなくなっている、4・自分に注目を集めたいということが大きい」と記載した上で、「日本で流布されるデマは、当初、海外で発信され、しばらくして日本にたどり着いたものが多い」と強調した。

デマの一つ一つを具体的に取り上げ否定

そして、河野氏は、私たちがチェーンメールやツイッター上で目にするような複数のデマについて具体的に取り上げ、以下の通り否定した。

―――「ワクチン接種された実験用のネズミが2年で全て死んだ」

『実験用のネズミの寿命がそもそも2年程度ですから、ワクチンを接種した人間が100年で全て死んだといっているのに等しいことになります。その後、「ワクチン接種された実験用のネコが全て死亡した」というデマに替わってきていますが、ヒトに関する研究の前段階としての動物実験でネコは一般的に使われません。現に、ファイザー社のワクチンの研究でネコが使用されたことはありません。』

―――「ワクチン接種により不妊が起きる」

『コロナワクチンに限らず、どんなワクチンに関しても流されるデマの一つです。これまでのワクチンで、不妊が起きたことはありません。今回のコロナワクチンでも、不妊が起きるという科学的な根拠は全くありません。ファイザー社の元Vice President(副社長にあたる)のマイケル・イードンという人が、「胎盤を形成するシンシチン-1という蛋白とスパイク蛋白が似ているため、スパイク蛋白の抗体がシンシチン-1も攻撃してしまう」と主張しましたが、実際には抗体が反応するために大切なアミノ酸の配列は似ているところが少なく、そのような反応が起きたことは確認されていません。アメリカで行われた3958人の妊婦を対象とした研究で、流産や早産、先天奇形が起こりやすいということがないことも確認されています。』

―――「卵巣にコロナワクチンの成分が大量に蓄積する」

「ワクチンの成分が体内でどう拡散するかを調べるために、放射性同位体を付加したワクチンをマウスに接種してみたところ、総放射能回収率は肝臓で最も高く18%となり、脾臓では1.0%以下、副腎では0.11%以下、卵巣では0.095%以下と、肝臓と比較して著しく低くなり、ピークも48時間でした。単にごく微量が卵巣に一時的に分布したということであり、蓄積というのは明らかな誤りです。」

―――「ワクチン接種で遺伝子が組み換えられる」

「mRNAワクチンが遺伝子に組み込まれる可能性はありません。ヒトの遺伝情報はDNAの形で細胞の核の中に保存されています。mRNAは細胞の核に入ることができません。仮に、mRNAが細胞の核に入ったとしてもRNAをDNAに変換できませんし、それをヒトのDNAに組み込むこともできません。

―――「治験が終わっていないので安全性が確認されていない」

「mRNAワクチンは、基礎研究、動物実験、治験が省略されることなく実施され、リスクを上回る臨床的に意味のある有効性が確認されています。その上で、いつまで効果が持続するかという長期の有効性を確認するための治験が継続して行われています。」

―――「長期的な安全性がわからない」

「mRNAは半日から数日で分解され、ワクチンにより作られるスパイク蛋白も約2週間以内でほとんどがなくなります。mRNAワクチンが遺伝子に組み込まれることはありません。mRNAワクチンでもアナフィラキシーが起きることがありますが、症状が出るのは接種してから2日以内に限られます。これまでのワクチンでも、ほとんどの副反応が6-8週間以内に起きることが知られています。
以上のことから、コロナワクチンの長期的な安全性について特段の不安があるということはありません。

―――「ADE(抗体依存性増強現象)が起きる」

「ワクチンや過去の感染により作られる抗体が、ウイルスの感染を増強してしまうことをADEといいます。デング熱ワクチンやSARSワクチンでこのようなことが起きたことがあります。しかし、ファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンでは、高い中和作用がある抗体とバランスのよいリンパ球の動きが確認され、動物実験でもADEは観察されず、大規模な治験においてもADEの報告はないことから、新型コロナワクチンに関して、ADEの可能性は考えにくいとされています。



このように「1つ1つ丁寧に発信していく」「1つ1つデマを潰していく」を実践した河野氏。これから現役世代への接種が本格化するが、こうしたデマとの戦いにどう対処するのか、粘り強さが求められそうだ。