電停のベンチに靴の跡…なぜ?
JR熊本駅前にある熊本市電の電停について、ある検討が進められている。
電停に設置されている乗客のためのベンチ。その長さが問題のようだ。

島征吾記者:
午前8時半の熊本駅です。通勤通学で多くの人がいます。駅から出てすぐ目の前には熊本市電の乗り場があり、そのベンチですが、よく見ると黒い足跡が付いているのがわかります
2021年3月に改修工事が完了した熊本市電の「熊本駅前」電停。市電を待つ間に座るベンチに目を凝らすと、本来、座る部分に靴で乗ったような足跡がいくつか確認できる。

なぜベンチに靴の跡があるのだろうか。その理由は…
島征吾記者:
乗り場のベンチですが、ここから…こちらまで途切れなく続いています

熊本市交通局によると、このベンチの長さは約26メートル。まるで1枚の板のようにつながっている。
このベンチの長さが、市電に乗る人の動きに大きく影響しているようだった。
島征吾記者:
今、男性が市電に乗るためでしょうか。走って来ました。少し回り込んで、乗り場に着きました

熊本駅の白川口から出て目の前に見える市電の乗り場だが、乗るためにはこの長いベンチを回り込まなくてはならない。

靴で乗ったような足跡は、市電の乗車口に近い部分に多く確認でき、市電に乗ろうとしてベンチを踏んだとみられている。
「混雑緩和のため設置」利用者の本音は
では、なぜこのようなデザインのベンチになったのだろうか。
熊本市交通局運行管理課・松尾 達哉課長:
非常に多くの人が利用しているので、電車を待つ人の列が周囲の運行に影響しないよう、きちんと並んでもらうために、仕切り代わりに設置しています
熊本市交通局によると、乗車の際、列を作る時に長いベンチに沿うような形で並んでもらうことで、混雑を緩和させるためだという。

この長いベンチについて、利用者の意見を聞いた。
市電の利用者:
短いより長い方がいい
――不便に感じたことは?
市電の利用者:
ちょっと感じる。真っすぐ行きたい時とか、急いでいる時に(感じる)
市電の利用者:
通れるところがあればいいなと思う。わからない人は戸惑うかもしれない

現在、ベンチには乗り越え防止のために柵が設置されているが、熊本市は今後、ベンチの途中に通路をつくることなどを含めて対策を検討するという。
(テレビ熊本)