個人向け銀行サービスをスタート

家電量販店を展開するヤマダホールディングスが、7月にも個人向け銀行サービスをスタートさせる。

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ヤマダホールディングスが始めるのは、グループの店舗で家電や家具、住宅などを購入した人向けの銀行サービスで、住信SBIネット銀行がシステムを提供する。

関係者によると、7月にも専用口座を通じて預金やローンなどが利用でき、ヤマダの特典ポイントなどを受けられるサービスを始める。

例えば、住宅購入で融資を受けて半年以内に家電などを購入した場合、5%分のポイントを上乗せするなどの仕組みが検討されているという。

ヤマダは大塚家具を傘下に収めるなど、住まいに関連した事業を強化している。

「ヤマダ・エコシステム」構築で顧客囲い込みへ

三田友梨佳キャスター:
このニュースについて、市場の分析や企業経営に詳しい経済アナリストの馬渕磨理子さんに聞きます。ヤマダと住信SBIの提携による銀行業務への参入ですが、両社の狙いはどこにあるのでしょうか?

経済アナリスト・馬渕磨理子氏:
まず、住信SBIにとってのメリットは、銀行は今、お金を借りてくれる人を探すことが難しくなっている中、新しいお金の借り手を発掘できます。

一方、ヤマダは念願の金融事業への参入を果たし、住まいに関わる需要を1社で全て引き受ける「ヤマダ・エコシステム」ヤマダ経済圏構築の最後のピースを手に入れたことになります。

三田友梨佳キャスター:
銀行サービスが最後のピースというのは、どういうことですか?

経済アナリスト・馬渕磨理子氏:
すでにヤマダは住宅会社のエスバイエル、インテリアの大塚家具を買収しています。例えば住宅を購入すれば、一緒に家具や家電を購入する例が多いです。さらに家族の成長に合わせて、新しい家電や家具の買い替え需要が生まれます。

そして、10年経てば家のリフォームをヤマダが引き受ける。こうした消費は資金需要そのものであって、まさにお金を貸すローン業務の出番となります。

三田友梨佳キャスター:
小売業にとっては、長いお付き合いが続く顧客というのは確かにありがたいことでしょうね。

経済アナリスト・馬渕磨理子氏:
これまで家電量販店の顧客の囲い込み策といえば、買い物をすればするほど還元が増えるポイントサービスがメインでした。しかし、この家電そのものの市場の伸びが期待できません。

それが、住まいに関わる需要の全てを1社で引き受けるヤマダ・エコシステムの構築により、顧客を囲い込む輪を広げ、顧客との結び付きもより強いものにしようとしています。

三田友梨佳キャスター:
家電はもちろんですが、家具や住宅も手掛けていることで金融との相性が良いということですが、これにより新たな成長を遂げることは出来るのでしょうか。

(「Live News α」6月16日放送分)