自衛隊が運営する政府の大規模接種センターでは、東京会場が東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県、大阪会場が大阪・京都・兵庫の2府1県に住む65歳以上の人を対象に新型コロナウイルスの ワクチン接種が進められている。 5月24日の開設から6月6日までの2週間で、 東京と大阪の2つの会場を合わせて17万3824人に接種が行われた。

今後1回目の接種を受けた人の2回目の接種が進むため、岸信夫防衛相は8日の会見で「6月28日以降は、2回目の接種が始まるので、1回目接種枠が非常に少なくなってくる。1回目の接種を希望する方は、今月27日までは予約を確保されるよう早めの予約をお願い致したい」と、これから1回目の接種を予約する人に早めの予約を呼びかけた。

予約から接種までの流れ

予約の開始日には、予約サイトが混雑することがあるが、その際に1つポイントがある。待機画面のまま待てば、自動的に予約画面に切り替わるので、画面を戻ったりせず、そのまま待つのが一番となる。

では、東京では1日1万人、大阪では1日5000人とスムーズな接種を支える会場運営はどのように行われているのだろうか。
東京会場最寄りの地下鉄の駅には、ホームから会場まで矢印つきの案内が続いていて、徒歩2~3分で到着する。ただ、東京駅からは無料のシャトルバスも約5分間隔で出ていて10分で会場に到着する。

接種日当日に持っていく物は、 住まいの自治体で発行された接種券と同封されている予診票、そして、運転免許証や運転経歴証明書などの身分証明書だ。半袖など腕を出しやすい服装が推奨されていて、これまでも多くの人が半袖で訪れている。

会場では、まず検温を行い、 受付で接種券と身分証明書を確認される。

続いて予診票の記入。 予診票には、住所、氏名、年齢などを記入し、 ワクチンの効果や副反応について理解しているかなどの質問項目に「はい」か「いいえ」をチェックして答える。予診票は自宅で記入することもできる。

記入が終わったら、 受付でもらうクリアファイルに予診票などをはさんで別の階にある会場へと移動する。

ここで、重要なのが、 センターの最大の工夫とも言える「色」だ。
このクリアファイルは、 赤・青・黄・緑の4色があり、赤なら10階、青なら7階というように色ごとに接種会場が違うが、クリアファイルと同じ色の導線を進み、同じ色のエレベーターに乗れば大丈夫で、利用者からも、わかりやすいと好評だ。

さらに会場には、 とても多くのスタッフがいることに気づく。東京会場では、30分ごとに約400人ずつが接種を受けているが、誘導の係員だけで300人以上が配置されている。廊下の角ごとに係員が立っていて、どちらに進めばいいか教えてくれる。

接種の前に看護官などから予診票のチェック、 そして、予防接種で体調が悪くなったことがあるかどうかなど医官による問診を受ける。

接種では名前や予診票の最終チェックを受け、利き腕ではない方の腕に接種を受ける。 おおむね2分程度で終わるようだ。

接種を終えたら15分の経過観察に入るが、大規模接種センターでは、この時間を使って接種済証の交付と2回目の予約を行う。 ここでの待ち時間が5分程度かかってしまうため 多くの人が 隣の経過観察ブースで少し休んで帰るという。

培ったノウハウを共有へ

接種隊長を務める河野修一1等陸佐は「導線や感染対策は(職域接種などでも)参考にして頂けると思う。運営開始前から何度もフロアマップを見ながら皆でしっかり話あって決めていったので、事前の検討が非常に大切で現場でさらにそれを進化させていくことが大事」と語る。

自衛隊も初めて経験となった大規模接種センターの運営だが、培ったノウハウを自治体などと共有して、今後、各地で始まる大規模接種を後押ししたい考えだ。