島根県内最小となる、わずか316グラムで生まれた隠岐の島町に住む女の子。4月の小学校入学時にお伝えし、大きな反響があった。
あれから2カ月。小さく生まれたハンデを背負いながらも、元気に成長する姿を追った。
小学校入学で友達と和気あいあい
島根県隠岐の島町に住む高井結葵ちゃん(6)。

4月に西郷小学校に入学した1年生。そんな結葵ちゃんは2014年10月14日、島根県内で最も小さいわずか316グラムで生まれた。
母・高井久美さん:
「最初の3日が山だ」と担当医から言われて。致死率が60%…だからどうなるか分からないよ、という状態だった。

離島からドクターヘリで搬送。通常より3カ月も早く生まれた赤ちゃんは、小さな手首への点滴、母乳はチューブで口へ運ばれ、命の危機を乗り越えた。
よく食べ、よく遊び、6歳になった結葵ちゃん。

現在の身長は117cm、体重は24kg。周りの同級生と変わらないまでに成長した。
結葵ちゃんの担任:
学校生活の流れにもしっかり慣れて、楽しく過ごしている。保育園が一緒だったお友達は、よく(結葵ちゃんを)助けている。ほかの保育園から来た子たちともすっかり仲良くなっている。

学校のあとは学童へ。
友達:
わたしはエビがすきです。
結葵ちゃん:
わたしはこの中できらいなやつがある。
友達:
おれ、カニがすき!
結葵ちゃん:
えー、ゆうちゃんぜんぶきらい!イルカはかわいいからすきだけど。

ここでも友達と和気あいあい、宿題を済ませる。
「未熟児網膜症」により弱視のハンデも
結葵ちゃんは目に少しハンデがある。出生時の体重が1500グラム未満の未熟児が約6割発症する「未熟児網膜症」。

現在、視力は眼鏡をかけても左が0.3、右は0.6の弱視で、これ以上視力が悪化しないよう治療を続けている。
階段など段差が少し苦手で、原因ははっきりわかっていない。でも、好奇心には勝てない。遊具の高いところでもすいすい上へ登っていく。

“しっかり者”の結葵ちゃん 弟とも仲良し
結葵ちゃんのマイブームは、今は絵を描くこと。
弟の隆聖ちゃんにリクエストされ、アイス屋さんとショベルカーを描いてあげる結葵ちゃん。立派に“お姉ちゃん”をしている。

父・高井健一さん:
保育園に通っていた時から比べると、ちょっとしっかりしてきた。
母・高井久美さん:
しっかり自分のことをするようになったかな。帰ってきて、宿題のチェックとあすの準備と。
入学して2カ月。友達や先生、周囲のサポートを受けながら少しづつ変わっていく。
そんな結葵ちゃんの将来の夢だが、4月に聞いたときは「警察官」だった。

しかし、5月に聞いた将来の夢は?
結葵ちゃん:
えっとね… アイドルと警察官

警察官に加え、アイドルも。1つ夢が増えていた。
離島で紡がれた小さな命。一歩ずつ成長は続く。
(TSKさんいん中央テレビ)