利用者が表示か非表示かを選択

「いいね!」の数を非表示にする新たな機能を導入。

フェイスブックは5月26日、運営するSNS「インスタグラム」で、投稿への興味や共感を示す「いいね!」の数を利用者が表示するか非表示にするか管理できる新たな機能を世界で導入したと発表した。

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フェイスブックにも同じ機能が数週間以内に取り入れられる予定。

インスタグラムは「いいね!」の数を非表示にすることで、利用者がプレッシャーを軽減できるか判断するテストを2020年から実施していた。

自分の投稿への反応を気にしすぎてしまう、いわゆる「いいね疲れ」が広がる中、フェイスブックは「心地よい時間を過ごしてもらうために今後もより多くの選択肢を探していく」としている。

今回のフェイスブックの試みを働く人たちはどう受け止めているのか、街で聞いた。

「いいね!」数は気になりますか?

健康美容関係(30代女性):
インスタグラムにカフェに行った写真とか、ご飯なんだったとか、自分が言いたいことを一方的に発信する感じです。

――「いいね!」数は気になりますか?

健康美容関係(30代女性):
気にしますかね。人気があるものとかを知りたいから。「いいね!」がないと、世の中がどういうものに対して影響を持ってるかわからなくなる。「いいね!」があると、やっぱりみんなに見られている印象はあるので、それは気にしたい。

物流関係(30代男性):
フェイスブックはどちらかというと会社の人とかもつながっているので、報告みたいな感じで。例えば子ども生まれましたとか。「いいね!」数は、前は気にしていましたけど最近は気にしていない。非表示でもいいんじゃないですか。この投稿は人気だとか人気じゃないとか、他の人から見られるのがなくなるのはいいんじゃないかなと。

IT関係(20代女性):
「いいね!」数は気にはなりますけど、そんなに自分から発信をしている派ではない。でも、ティックトックの「いいね!」数はバズる元になっているんだろうなって。今、ティックトックからはやりが生まれていると思うので、だったらティックトックは「いいね!」があった方がいいのかな。

IT関係(20代女性):
インスタグラムは私は日記みたいな、自分のページを見て自分が楽しむ、過去を振り返る。「いいね!」数はあんまり気にしない。今は「いいね!」数見られないので、よかったと思う。変に気にしなくていいから。自己満でやっているけど、そこに数とかは別にいらないかな。

実験導入のインスタで投稿数が増加

内田嶺衣奈キャスター:
このニュースについて、社員全員がリモートワークで働く会社、キャスター取締役COOの石倉秀明さんに聞きます。街の人の受け止め方は様々でしたが、石倉さんはどうご覧になりますか?

キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
インスタグラムでは、1年前から投稿者の心理的ハードルを下げることを目的に、実験的にこの機能が始まっていましたが、それをフェイスブックも含めて正式に導入することになったということは、今後の成長のために「いいね!」に非表示機能というのは、ポジティブに働くと経営判断があったんだと思います。

当初、「いいね!」数を非表示にすることで、エンゲージメントが下がったりとか、投稿者の心理的プレッシャーは変わらないということも懸念されていたと思いますが、結果的に実験していたインスタグラムでは投稿数が増えたとCEOの方も言っています。

SNSに関しては、投稿する人や数が減ってしまうと、そのサービスを見る人も減ってしまうというループに陥ることがありますが、そうならないと判断したんだと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
ということはやはり、ユーザー側にとっては「いいね!」の非表示が投稿への心理的ハードルを下げたということなんですね。

キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
そうですね。一方、フェイスブックやインスタグラムは今やSNSの王者のような存在になっているわけですが、ユーザーに長く使ってもらうためのまさに王者の戦略をとってきたと感じます。

王者の戦略というのは、新しいサービスが出てきたらそれと同じようなことを大きなスケールで一気にやってしまうことで、後発の優位性を潰してしまうやり方なんです。つまり「いいね疲れ」をしている人たちを狙って、その機能を無くした後発のSNSが出てきにくくなる、そういった狙いもあるのかなと思います。

また、SNSを活用しても、「いいね!」数が少ないとブランディングがマイナスになるのでSNSをやらない、という判断をしていた企業や人もいると思いますが、外から「いいね!」が見えなくなることで積極的に投稿する会社も増えてくると思いますし、いずれにしても個人、企業ともに投稿数が増えると見込んでいると思います。

内田嶺衣奈キャスター:
そもそもSNSというのは、好きなものを投稿したり、自分の欲しい情報を得たり、コミュニケーションを楽しむためのものだと思います。それによってストレスに感じてしまうようであれば、無理して使う必要は無いと思います。時には少し距離を置くなど、ちょうど良い使い方を自分で選んでいく、そんな付き合い方が出来たらいいですね。

(「Live News α」5月27日放送分)