テレワークにも適した新製品

Appleは新しい「iMac」と「iPad Pro」を21日から国内で販売開始した。

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「iMac」は7色のカラーバリエーションで、従来のものに比べ画面が大きくなった一方で薄く軽い仕様となっている。

また、タブレット型の「iPad Pro」には、オンライン会議に適したこんな機能が。

奥山未季子記者:
こちらの端末、テレビ会議などをする際に、人間が中心にくるようにカメラが自動で合わせてくれます。

初めてパソコンと同じソフトウェアが搭載され、テレワークを意識した新製品でさらなる顧客獲得につなげたい考えだ。

iMacの大きなイノベーション

内田嶺衣奈キャスター:
ここでは電機メーカーで商品開発の経験を持つ、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに伺います。
好きな色を選べる。
そんなiMacが帰ってきたと思ったユーザーの方も多いようですね。

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
ちょっと懐かしい1998年に発売された初代iMacです。

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
スペック的にそれほどすごいものではなかったのですけど、かわいらしいデザインと6色のカラーバリエーション。
それがすごく印象に残っていると思うのですね。
カラーバリエーションとかデザインそのものというのも、iMacの大きなイノベーションと言えます。

内田嶺衣奈キャスター:
好きな色を選べることがどうしてイノベーションなんでしょうか。

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
98年当時のパソコンのセールスポイントといえば、CPUとかハードディスクとか機能とか性能。
こういうのを「機能的価値」と言うのですけれども、そういうものが中心だったのですね。

そこを大きく変えてデザインとか、かわいらしさというような価値にしたのです。
デザインとかかわいらしさは、情緒とか感性の話なので数値化できないわけです。
こういう価値のことを大阪大学の延岡健太郎教授は、「意味的価値」と呼んでいるのですけれども、「意味的価値」を数字で比較されないからこそ価格競争や性能競争に巻き込まれにくいんです。

Appleの課題とは

内田嶺衣奈キャスター:
今もやはりApple製品と言いますとスタイリッシュでオシャレでかっこいいそんな印象を抱く方も少なくないですよね。

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
「意味的価値」はちゃんとした「機能的価値」のベースの上、さまざまな技術の上に成り立っているわけです。

気をつけなきゃいけないのは価値というのは陳腐化します。
iMac登場から20年、iPhoneも10年です。
新しい価値次元の創造みたいなことというのがこれからのAppleの課題じゃないでしょうか。

内田嶺衣奈キャスター:
次はどんなイノベーションがまた起きてくるのでしょうか。

(「Live News α」 5月21日放送分)