東京五輪選手団へのワクチン接種についてJOCが調査

東京オリンピック・パラリンピックの選手団へのワクチン接種についてJOC=日本オリンピック委員会が各競技団体へ接種希望の日程や場所の希望調査を行っていたことがわかった。

ワクチン接種に関しては、IOC=国際オリンピック委員会が東京オリンピック・パラリンピックに参加する各国の選手団に向けて、米ファイザー社から新型コロナウイルスワクチンの提供を受けたと発表しており、JOCの山下泰裕会長は「ワクチンの優先接種者、医療従事者へ影響を生じさせない前提が可能であれば日本選手団も接種を進めたい」とコメントしている。

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ある競技団体に取材したところによると、JOCから「6月中に2回、18日間を間隔をあけてのワクチン接種の調整が可能か」という旨のヒアリングが届き、11日までの回答を求めていたという。

このヒアリングに対し競技団体幹部は「ワクチン接種のタイミングが代表チームの合宿と重なっていたため、ワクチン接種は可能」と回答した。

しかし、接種場所については「合宿先のホテルを希望しているが、そもそもそれが可能なのか。アナフィラキシーショックなどの副反応に対する処置についてやワクチンの保管場所など質問したいことはたくさんある」と取材に答えた。

また、「ワクチン接種は選手の意思に任せると言いつつも我々の競技はチームスポーツのため、前もってチームドクターによるワクチンの説明や接種への意思確認を全体にする必要がある。今回はタイミングが合い、代表選手全員に説明できるが、個人種目の多い別団体は選手の意思確認に手間取っていると聞く」とワクチン接種までのハードルの高さも指摘。

また別の五輪種目の競技団体は、JOCへの回答に「選手の希望を反映できるようにしたい。ワクチンを受ける人もいれば不安を覚える人もいる」と選手の中でもワクチン接種へ意見が分かれているとし、「副反応の体調を考慮して『なるべく早めに打ちたい』と回答した選手もいる」という選手たちの声も明かした。

新型コロナのワクチンについてIOCは大会参加選手に接種を推奨しているが義務化はしていない。

今回準備されたファイザー社のワクチンは世界に供給するものとは別枠として提供される予定で、国内で対象となるのはオリンピック、パラリンピック合わせて約1000人の選手と監督、コーチら約1500人を想定している。

川崎健太郎
川崎健太郎