天皇陛下「親謁の儀」で退位を報告

大勢の人に、出迎えられた天皇皇后両陛下。
奈良の橿原神宮前駅に集まった人たちに手を振り、笑顔でお応えになられていた。

 
 
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隙間がないほど道を埋め尽くした人々の列。

 
 

3月26日に両陛下が向かわれたのは奈良県、橿原市にある「神武天皇陵」。
ここは、皇太子さまご一家や、秋篠宮さまご一家など皇族が節目ごとに訪ねられる大切な場所。
 今回、退位に向けた儀式のひとつ「親謁の儀」で4月末の退位を報告された。

この参拝、どれだけ特別なことなのか

 
 

皇室の歴史に詳しい 京都産業大学 所功名誉教授は「今から200年前はありましたけど(退位の儀式は)明治以降はないことですから」と話す。

 
 

神武天皇陵は皇室の人生の節目には欠かせない“大切な場所”

神武天皇陵があるのは、奈良県・橿原市。市内には、ほかにも古墳がある。

 
 

神武天皇は、日本を建国した初代天皇と、日本書紀などに記述され、2019年から2600年ほど前に、この地で即位したとされている。

退位にむけた10の儀式の中で6番目となる神武天皇陵参拝。
陛下が皇太子だったころにも訪問され、結婚をご報告。さらに即位の際にも参拝されるなど人生の節目に欠かせない大切な場所だという。

 
 

フジテレビ皇室担当橋本寿史解説委員は「秋篠宮家の眞子さま、佳子さまのご成年になられたとき、二十歳になられたとき、参拝をされている場所です」と、話す。

 
 

神武天皇陵と昭和天皇陵の参拝には特別な意味

124代に渡る歴代天皇の全国のお墓の中でもこの初代の神武天皇と、陛下の父・昭和天皇の陵墓を参拝することは特別な意味があるという。

 
 

天皇陛下 親謁の儀で礼拝

神武天皇陵は、普段、一般参拝できる場所もあるが陛下はさらにその奥へ。

 
 

「親謁の儀」にモーニング姿で玉串をささげ、拝礼した。
橋本解説委員は「塩、米、水、酒、そしてそのほかに果物や野菜といったものもお供えされています」と話す。

 
 

沿道には2万人以上の人

今回は、退位を伝える特別なご訪問。在位中の関西地方ご訪問が、最後になるかもしれないということで集まった、あふれんばかりの人たち。
普段と見比べると、3月27日は人の多さが一目瞭然。県の発表では2万人以上の人出があったという。

 
 

皇室専用車センチュリーロイヤルに乗車

さらに、特別だったのは儀式だけではなく「車」。
橋本解説委員は「“センチュリーロイヤル”という車が使われているんですね。これは大変大切な行事の時にしか使われない車であって」と話す。

3月25日は、市販されているセンチュリーにご乗車も、今回、駅からの送迎に使われたのは皇室専用車、センチュリーロイヤル。
8人乗りで国賓を迎えるときなど、限られた時にしか使われない特別車両で、東京から運んだとみられる。

 
 

橋本解説委員は「普通の車よりランクが上、ということですのでやはり両陛下にとっても退位に向けて大切な行事という風に捉えられている。」と話す。

 
 

4月には伊勢神宮と昭和天皇陵を参拝し、退位を報告する予定とのことだ。

(「めざましテレビ」3月27日放送分より)