国内の状況が厳しい今だからこそ海外へ。
日本の国民食が攻めの一手に打って出た。

中国の人たちを熱狂させる“等身大ガンダム”。

この記事の画像(15枚)

訪れた人:
動くかどうかわからないけど、とても興味がある。むちゃくちゃかっこいい。

訪れた人:
とてもすごい。「俺がガンダムだ」という台詞を思い出した

28日にオープンした日本の商業施設「ららぽーと」の海外初進出に合わせ、この等身大ガンダムも海外に初登場した。

訪れた人:
今は出国することが難しいので、日本に興味のある人はここで味わえると思う

国境を越えた往来が難しい今、新たな消費の柱と期待される海外での「ジャパンロス」需要。

その波に新型コロナウイルスで打撃を受ける日本のソウルフードも動いた。

今だからこそ海外へ 攻めの一手

森雅章記者:
こちらは特設の厨房で作られたラーメンが振る舞われるコーナーなんですけれども、ご覧のようにたくさんの人で賑わっています。

細麺にからむ濃厚な豚骨スープ。

真っ赤なスープの「トマトラーメン」

中国・南京市で開かれている「ラーメン道場」。
横浜や福岡など中国未出店のラーメン店が集まる期間限定のイベント。

訪れた人:
日本のラーメンが大好きで、コロナ前は1年に7回は日本に行っていた

訪れた人:
感動している。ラーメンにプロ意識を感じられるから

“日本の味”を求め、イベントは大盛況。

博多ラーメン二代目けんのすけ・北村和也さん:
売り上げを稼ぎに来たというよりは、どちらかというと僕にとって今回は挑戦

「こんな時代なので、待っていてもしょうがない」

もともと海外進出の夢を持っていたというこのお店。

「博多ラーメン二代目けんのすけ」は、純度の高い豚骨スープが売りで、人気ランキングでトップと評されたこともあるが、外出自粛要請で客足は遠のき厳しい経営状況に。

博多ラーメン二代目けんのすけ・北村和也さん:
(コロナで)先が見えない。また落ち着いてもすぐなる。
戦略が立てづらい。
繰り返しているうちに、待っていてもしょうがないと思って。
この中で闘っていくしかないなと

収束への見通しが不透明な中、2週間の厳しい隔離生活を乗り切って自ら中国入り。

新たなチャンスを求めてこのイベントに参加した。

博多ラーメン二代目けんのすけ・北村和也さん:
(隔離されてまできたのは)僕には夢があるから。
攻撃ですね。
こんな時代なので、待っていてもしょうがないので、攻撃は最大の防御ということで、どんどん攻めていきた

ピンチをチャンスに変える

内田嶺衣奈キャスター:
日本のラーメンは中国の方にも人気のようですね。
松江さんどうご覧になっていますか?

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
ぜひ頑張ってほしいと思います。

この動きは、「インバウンド需要のアウトバウンド化」という風に捉えることができるのではないかと思うのです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
コロナ以前はかなりインバウンドで日本に多くの観光客が来られて、日本の食文化を経験してファンになって帰って行かれた。
海外にはインバウンドをきっかけにして、「日本の潜在マーケットがある」という見方ができると思います。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
ただ、コロナ禍で日本に来れなくなって、逆にだったらこそ外に出て行こうということで潜在マーケットを刈り取ってとっていこう。
これはまさに「インバウンド需要のアウトバウンド化」ということだと思うのです。

内田嶺衣奈キャスター:
特に今回はラーメン店がアウトバウンドに打って出たということですが、このラーメン店というところいかがですか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
日本のラーメンが本場に出て行く。
かなりチャレンジではないかなと思うのですが、一方でこれは「似て非なるもの」。
ここに日本の勝機があるのではないかと見ているのです。

日本のラーメンは味もかなり繊細ですし種類が多い。
だから本番の麺と食べ比べることによって、ちょっとした質の高さが訴求できるところがあると思います。

こういった比較可能な体験を通じて日本の良さを訴求していく。
ここはひとつアウトバウンドだからこそできるチャンスではないかなというふうに思うのです。

それに加えて、商品単品ではなくて提供の仕方とか、おもてなしとか、トータルなサービスとして満足度を高めていく。
こういったことは差別化していくことができれば、ラーメンのみならず日本の製品や商品はすべて競争力につながっていきますから、潜在需要を顕在化する展開につながっていくのではないか。
期待して見ていきたいと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
期待高まりますよね。
ピンチをチャンスに変えるべく行動に移すという前向きな姿勢は、どの業界の方たちにとっても刺激になったのではないでしょうか。
日本のクオリティーを知ってもらう良い機会にもなると思います。
アフターコロナの日本が多くの観光客の方でにぎわう日が待ち遠しいです。

(「Live News α」 4月30日放送分)