東日本大震災の津波の教訓を伝えるため、岩手・陸前高田市のNPO法人が、津波の到達地点に桜を植樹する「桜ライン」の活動を続けている。

陸前高田市の寺で河津桜が満開に

岩手・陸前高田市の浄土寺の桜。濃いピンク色の花がちょうど今、満開となっていて、見頃を迎えている。

浄土寺(陸前高田市高田町)
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2021年は、3月22日に開花。4月6日に満開を迎えた。

浄土寺の河津桜

この桜は「河津桜」という早咲きの品種で、花が咲いている期間が長いのが特徴。浄土寺では、葉桜で満開を迎える年も多いという。

「桜ライン」で津波の到達地点を知らせる

人々に春の訪れを告げるのはもちろんだが、この桜はもう1つ、ここに立つ大きな意味があり、それは木の根元にある石碑を見ればわかる。
石碑には津波到達地点と書かれていて、ここまで津波が来たという目印になっている。

津波到達地点を示す石碑

この桜を植えたのは、地元出身者などで震災後に立ち上げたNPO法人「桜ライン311」。

桜ライン311 伊勢友紀副代表:
石碑に代わるもので、後世に伝えられないかという思いで、桜だったら震災があった春に、その場所に存在を知らせてくれるという思いで、到達点に桜を植えようという話になりました

NPO法人「桜ライン311」伊勢友紀副代表

この浄土寺の桜は、2011年11月、桜ラインの活動の第1号として植えられた。
中心市街地を見下ろせる場所にあり、平均8メートルかさ上げされる大規模工事の様子など、街の復興をこの10年間見守ってきた。

街の復興を見守ってきた浄土寺の桜(2014年)
復興ともに成長してきた浄土寺の桜(2021年)

桜ライン311 伊勢友紀副代表:
移植をされて、その翌年から毎年きれいに花を咲かせているので、年々成長も感じられるので、とてもうれしいです

「桜ライン311」では、市内の津波到達ライン約170kmに1万7,000本を10メートル間隔で植えていく計画。

1,800本以上の桜を市内368カ所に植樹

毎年、春と秋に植樹会を開催し、県内の小中学生や高校生、全国のボランティアなど、合わせて6,700人を超える人が参加した。

植える桜は、エドヒガンザクラやオオヤマザクラなど、後世に伝えるために寿命の長い品種が選ばれている。
現在は、地権者の賛同を得られた市内368カ所に1,869本が植えられた。

植樹会の様子(2014年)

植樹した高校生:
パーッときれいなサクラが満開に咲いてほしい

植樹した高校生:
きょう植えたサクラを見て、将来の人たちに津波の怖さが伝わればいい

現在は、まだ目標の1割ほどだが、中には桜並木となって、津波の到達ラインが分かる場所もある。

桜ライン311 伊勢友紀副代表:
本当にたくさんの方に支えられて、この一本一本が並木になっていくので、少しずつではあるんですが、桜並木がつながっていくにつれて全国の方の思い・縁もつながっていってると思います

NPO法人「桜ライン311」伊勢友紀副代表

2020年は、新型コロナウイルスの影響で植樹会が中止になるなど、苦労や壁もあるが、災害による悲しみを繰り返さないために、これからも活動を続けていく。

桜ライン311 伊勢友紀副代表:
これからも全国の方とのつながりを持って、災害で大切な人、そして自分の命をしっかりと守れるようにメッセージを伝えていけたらなと思っています

(岩手めんこいテレビ)