「キウイフルーツは何色?」と聞かれたら、緑色や黄色を思い浮かべることだろう。そんな中、キウイのキャラクターで有名なゼスプリから”ベリー風味”の赤いキウイが登場した。

「ゼスプリレッド」という、名前の通り赤い果肉の新品種で、20年以上の歳月をかけて開発したという。味の特長は、これまでのキウイとは異なるベリーのような上品な甘さ。抗酸化成分の「アントシアニン」や「ビタミンC」が含まれているとのことだ。

今回は期間限定の発売で、本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」(限定店舗)では4月下旬から順次販売し、新宿高野本店では4月29、30日に発売する。数量がなくなり次第、販売終了となる。

色が赤いだけでなく、味もベリー風味と通常のキウイと異なるのであれば、とても興味が湧いてくる。そもそもなぜこのようなキウイの新品種を開発したのだろうか?
気になる疑問をゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社に聞いたところ、グループの本社があるニュージーランドの担当者と一緒に答えてくれた。
野生の赤いキウイからゼスプリレッド誕生
ーー「ゼスプリレッド」を開発した経緯を教えて
ゼスプリレッドは、食品や農水産物の調査研究を行うニュージーランドの国有研究機関プラント&フードリサーチ社と提携して実施している自然育種プログラムに由来しています。
このプログラムでは、自然の育種技術(自然交配)と広範な試験により、美味しく、かつゼスプリの厳格な基準を満たす新品種のキウイフルーツを模索しています。
新しい品種の開発はゼスプリにとって重要な投資分野であり、環境に配慮した方法で栽培された、高品質かつヘルシーでおいしい果物を生産するという私たちのコミットメントを反映しています。
ーーいつから開発していたの?
ゼスプリとプラント&フードリサーチ社は、新しいキウイフルーツの開発に自然育種技術(自然交配)のみを使用しています。私たちは中国で見つかった野生の赤いキウイフルーツを使って2000年に赤いキウイフルーツの育種を始めました。
元の野生のキウイフルーツの品質を改善して、ゼスプリの風味、形、色の高い基準を満たすには、何世代にもわたる繁殖が必要でした。新しいゼスプリレッドは、第3世代のものから選択され、10年間の広範な試験の後、商業生産に移行しました。

ーー20年以上開発ということは、栽培が難しかったということ?
元々のキウイフルーツの野生のレッドの遺伝子は、赤の色が薄い小さな果実を生みました。
そのため、専門のキウイフルーツのブリーダーが元の野生のレッドキウイを選別して、ゼスプリが定める高い品質基準に改善するのに時間がかかりました。
私たちはこの新しいゼスプリレッドを非常に誇りに思っています。素晴らしい品種には多くの時間を要します。

ーー新品種「ゼスプリレッド」の魅力はどこ?
宝石のような赤い果肉と熟したベリーのような上品な甘さが魅力です。また、抗酸化成分「アントシアニン」や、「ビタミンC」が含まれています。

最初の一口からベリーの風味
ーー初めて実物を手にした時、どう思った?
ゼスプリレッドを商品化できて嬉しく思います!この品種の開発には、大規模で献身的なチームが何年もの時間を要しました。ゼスプリレッドをお客様と共有できることを嬉しく思います。
ゼスプリレッドの販売決定に近づいてきたここ数年、開発チームとしてゼスプリレッドの試食をとても楽しんでおり、消費者や市場から得られる前向きな反応に興奮していました。ゼスプリレッドの販売が決定した際は、ゼスプリレッドを飾った大きなケーキでお祝いをしました。
ゼスプリレッドは消費者のみなさまに、キウイフルーツの新しい魅力を体験していただける商品と考えています。 そして、将来、より多くの消費者のみなさまに喜んでいただけるよう、ワクワクするようなキウイフルーツの商品開発に取り組んでいます。
ーー初めて食べた時どう思った?
他のゼスプリキウイと同様、ゼスプリレッドは素晴らしい味で社内でも非常に好評でした。ゼスプリ・グリーンキウイやサンゴールドキウイとは見た目が異なり、果実中心部は活気の感じられる赤い色で、そこから広がるベリーのようなフレーバーの層から深みのある甘みが感じられます。それが、最初の一口から甘い後味まで続きます。

ーーおすすめの食べ方は?
まずは、新品種ゼスプリレッドそのものの味を楽しんでいただきたいです。スライスしたり、半分に切ってすくって食べていただくのがおすすめです。
ーー今後、違う風味を開発する予定はある?
将来、より多くの消費者のみなさまに喜んでいただけるよう、ワクワクするようなキウイフルーツの商品開発に取り組んでいます。
また「ゼスプリ レッド」は、今年のテスト販売を経て、来年以降、順次販売数を増やしていきたいと考えております。

開発に20年以上の歳月がかかった経緯を聞くと、さらに食べてみたくなった。今年は期間限定の発売で食べる機会が少ないかもしれないが、来年以降は「赤いキウイ」が普通にスーパーなどに並ぶ日がくるかもしれない。
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