「強みを生かす」3社がタッグ

物流業界の課題解決や温室効果ガス削減を目指し、トヨタ自動車と子会社の日野自動車、いすゞ自動車の3社は、商用車の分野で提携し、3社による新会社を設立すると発表した。

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トヨタ自動車・豊田章男社長:
3社の強みを生かして、輸送の現場で困っている多くの仲間を助けることができるのではないかと思っています。

具体的には、トヨタが持つ自動運転や電動車などの技術を活用することで、物流業界が抱える人手不足やドライバーの負担軽減などを目指すとしている。

また、商用車の輸送効率を向上させることで、温室効果ガスの排出量削減も目指す。

トヨタは2006年にいすゞに5.89%を出資していたが、2018年には関係を解消していて、再び「資本提携」する形となる。

商用車で自動運転を安定的普及へ

三田友梨佳キャスター:
技術開発に詳しい、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに聞きます。乗用車メーカーとトラックやバスなどの商用車メーカーの関係強化、この狙いはどこにあるのでしょうか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
今、自動車産業は非常に大きな変化を迎えているんですね。ホンダのような、人による運転から自動運転。あるいは内燃機関からEV、はたまた所有からシェアのように、さまざまな変化が起きようとしています。

変化をまとめたものを「CASE」と呼んでいます。乗用車と商用車、両方ともこのCASEに対応していく、そういうところが共通して、互いに応用し合えるというのがポイントだと思います。

三田友梨佳キャスター:
一方で、協力ということについては、今は自動車メーカーとIT企業という組み合わせもあるかと思いますが、そのあたりはいかがですか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
CASEの実現にIT技術というのは非常に重要なポイントになりますが、IT産業やエレクトロニクス産業、自動車産業のモノづくりは、かなりカルチャーが違っていて、特にスピード感とかリスクに対する考え方が大きく異なります。

例えば時間を取ると、IT産業というのは半年、1年で新しいものをどんどん作って、絶えず変化していく産業。一方で自動車というのは、5年から10年スパンで製品を開発し、同じベースのものを作って売っていく。そのメンテナンスや修理みたいなものも10年など長期間に渡るわけです。その間、ちゃんと部品を供給しなければいけません。

要は「同じ魚を売っています」と言っても、刺し身を売るスピードと干物を熟成させて売るスピードは違います。ITが「刺し身」だとすると、乗用車は「干物」を作っているような感じだと言えるわけです。そういうときに、これからは既存の自動車メーカーの活躍も期待されると思います。

三田友梨佳キャスター:
そうした中で今後、自動運転などの新しい車はどのように普及していくのでしょうか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
レベル3の自動運転の乗用車が発売されましたが、これは100台限定という話。このように台数を区切ったり、商用車のように誰が使うのか、どのように使うのかが明らかな産業で使う。まずは小規模に、あるいはお客さんが見えるところで確実に入れていく。そして、不確実性に対応し、新しい技術を安定的に普及させていく。このようなやり方というのが重要になってくるんだと思います。

三田友梨佳キャスター:
物流業界では、運転手の不足など課題も多くありますので、商用車の自動運転の動きが今後さらに加速していくことで、ドライバーの負担軽減につながることも期待されます。

(「Live News α」3月24日放送分)

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