緊急事態宣言が3月21日に解除されることを受け、新型コロナの第4波のリスクに備える東京都。

宣言解除後も少なくとも3月中飲食店への時短営業の要請を続ける。時短要請の時間は現在の午後8時から1時間緩和して午後9時までとし、要請に応じれば4万円の協力金を支払う。

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しかし、小池百合子都知事は18日、協力金の支給新たな条件をつけた。

小池百合子都知事
店舗への「コロナ対策リーダー」設置のお願いであります

小池知事が突如打ち出した「コロナ対策リーダー」。その使命は「マスク会食の促進」だ。

小池百合子都知事
「お客さま会話の時はマスクしてください」とか「大声で盛り上がっているところ恐縮ですが」となかなか言いにくいものですね。そこを(コロナ対策)リーダーの方からお客さんの方にも堂々と「それはやめてくださいね」と言えるような状況を作っていくと…

しかし、リーダーになるにも条件があるという。

まず店で選ばれたコロナ対策リーダー候補は、22日正午以降に東京都の特設サイトに登録。その上でオンライン上で研修動画を見て、確認テストに合格した人にのみ東京都から修了シールが発行される仕組み。

この手続きを踏んだ店に限って、東京都は協力金を支払うと言っている。

この手間のかかる条件にはネット上で波紋が広がっている。

リーダーって何それ?意味ある?」「店にさらに負荷かけてどーするの?」「虹色ステッカーは何のためだったのか

当の小池知事は「事業者に寄り添った取り組み」だと訴えている。

小池百合子都知事
お手間をかけないで、コロナに対してお客さんと連携しての対策を進めるような方法の一つで考えております

しかし飲食店側の捉え方は否定的だ。東京・港区で北海道料理を提供する居酒屋「根室食堂 新橋店」に取材してみると…

根室食堂 新橋店・平山徳治店長
(飲食店の)現場を知らない方が物事を考えているなとしか思えないんですよね…

こちらの店ではコロナ前は13人いたスタッフが、現在は4人に減って、既に事務作業にも支障が出ているという。

根室食堂 新橋店・平山徳治店長
テイクアウトにしても請求書を作らないといけない、納品書も作らないといけない。そこにさらにまた負担が増えれば、これはもう事務的にパンクしてしまいますよね…

人手に余裕がない中では、客に対して「マスク着用のお願い」すら簡単なことではないと言う。

根室食堂 新橋店・平山徳治店長
言葉遣いにも気を付けて伝えなきゃいけない。そういうところも結構それでトラブルが起きやすいところではありますし、(マスク着用のお願いは)本当に難しいんですよ

今後も時短の要請には応じるつもりだと言うが、東京都の対応には疑問を感じざるをえないという店側。宣言解除を前に早くもリバウンド対策の難しさが浮き彫りとなっている。

イット!のスタジオでは「声に出して読みたい日本語」などの著者でコメンテーターの明治大学教授・齋藤孝さんに話を聞いた。

加藤綾子キャスター
こうして見てみると新たな対策といっても、打てる対策というのは限られているんだなと感じますよね。最終的には徹底的な感染対策というところに戻ってくるのでしょうが、なかなか、これをどう呼びかけたらいいのか難しいですよね?

コメンテーター・齋藤孝さん
「マスク警察」という言葉がありましたけれど、市民のチェック体制というのはどんどん厳しくはなっているとは思うんですよね。きちんと対策を立てているお店にはプラスの評価ができるようなICTを活用した「見える化」というんでしょうかね。そういった励ましも必要かなと思いますね

加藤綾子キャスター
「お願い」と言われても期間が長すぎて聞けなくなっている方も多いと思うんですよね。私たちも一生懸命がんばる分、政府や自治体もきちんと現状を分析して、それに応じた対策をしっかりと進めてほしいと思います

(イット! 3月19日放送より)