「#春から○○大」

Twitterでは今、4月から大学に入学する新入生が、このような大学名を含めたハッシュタグを使って自己紹介などを行う投稿があふれている。同じ大学に通う人と入学前から繋がることや、または、上級生による新入生のサークル勧誘などを目的に、このようなツイートをするのだ。

しかし上智大学は3月1日、「#春から上智」のハッシュタグが付いた投稿やSNSの利用にリスクがあるとして注意を喚起した。
 

【4月入学予定の方へ】
SNSで流れている本学新入生対象と銘打った企画や勧誘などについて、本学は一切関知しておりません。#春から上智=発信情報が正確とは限りません。個人情報の管理等十分にご注意ください。皆さんの不安・焦りにつけ込むアプローチには要注意!

このように上智大学は、TwitterやLINE、Instagramなどで告知される上智大学新入生向けの交流会に、大学は一切関知していないと断言。

出典:上智大学
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上智大学によると毎年3~4月ごろになると、大学のエンブレムをプロフィール画像に使ったり、学生を名乗り情報発信をしたりするアカウントが多数出現するという。

しかしこれらは大学の公式ではなく、また「#春から上智」「#上智生と繋がりたい」などのハッシュタグを使って投稿される情報についても、正確だという保証は一切ないというのだ。

さらには、このタグを付けて投稿したアカウントに対し、DMで性的な画像送付や勧誘を受けたとの報告があったとして、特に新入生は個人情報の管理などに注意を求めている。

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上智大学のTwitter認証済みアカウントは、名前の後に水色のいわゆる公式マークが付いており、学生センターが登録しているクラブやサークルなどは大学公式サイトでSNSアカウントやホームページへのリンクが公開されている。

そのような大学公認の課外活動団体を偽り、悪質商法などが正体を隠してSNSでイベント告知や勧誘を行っていることもあるという。

これを受けて上智大学は新入生に向けて、主催者不明の企画はオンラインでも参加しない、見覚えのないDMには返信しない、連絡先を安易に登録しない、など個人情報の管理徹底を呼び掛けた。

また、SNSでは主催者不明のアカウントをフォローしない、個人情報を含んだ投稿を安易にしないなどを心がけるようにとしている。

実は同じような注意喚起は、これまで他の大学でも行っているのだが、新入生を狙った不審な告知は最近増えているのだろうか?また実害は出ているのか? 

上智大学の担当者に聞いてみた

SNSでの不審な勧誘は5年前から注意

――大学公式を騙るなどSNSの怪しげな告知は最近増えている?

コロナ禍のせいもあるかと思いますが、大っぴらな告知は見当たりません。DM機能などを使って直接新入生にアプローチしている可能性もありますが、この場合は外から確認することが出来ないので、非常に心配しています。


――悪質商法やフィッシングサイトなどの実害はあった?

いずれも学生からの直接の報告は、今のところありません。ただし今年、上智新入生と思わしきアカウントで、「#春から上智」を使っていたら、わいせつ画像が送られてきたと呟いているのを、広報グループがTwitter上で発見したため、このような注意喚起を出しました

SNSを使った勧誘などに対する注意喚起自体は、本学は他大学に先駆けて5年前ぐらいから毎年行っていますが、今年は、本学の課外活動を装った学外団体、カルト宗教、悪質商法、フィッシングサイト、広告サイトなど、これまで報道などで見聞きした実例を挙げてホームページに出しています

今はコロナ禍で目立ちませんが、これまでは公式アカウントや上智のサークルを装ったアカウントが、主催者不明の新入生交流会を告知したり、広告サイトや会員登録を求めたりする事例が多数ありました。

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見分ける方法は?「DMが送られてきたら要注意」

では「#春から○○大」を使うアカウントが本物か否か見分ける方法はないのか? ITジャーナリストの三上洋さんに聞いてみた。


――信頼できるアカウントかを見分ける方法はある?

まず大学サイトからのリンクがあるかどうかが重要です。またクラブやサークルなどのアカウントは、開設時期と普段からどういうツイートをしているのかを見るべきだと思います。開設時期が直近だったら疑わしい可能性が高くなります。

一方、新入生のアカウントについては見分けることはできません。こちらは誰もがみんな新規にアカウントを作っているでしょうし、開設時期が古くても本人かどうか分かりません。

もしやりとりをするなら、オンラインなり実際に会うなり顔を合わせてしてからのほうがいいでしょう。


――SNS活動の注意点は?

カルトやマルチ商法、ネットワークビジネス、怪しいバイトの勧誘などはすごく多いので気を付けるべきです。

「新入生歓迎でみんなで会いましょう」とか「みんなでZOOMをやります」などといって勧誘してくる。会うのはもちろんダメですし、オンラインでも同じで知らない人とのテレビ会議も辞めた方がいいでしょう。

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――Twitterのやり取りも危ない?

Twitterでやり取りするのは別に大丈夫ですが、DMで何か来たら怪しいと思ってください。基本的にSNS活動で一般的に言えるのは、向こうから近づいてくるものは警戒したほうがいいということです。

会いましょうとか、情報交換しましょうとか、テレビ会議しましょうとか、DMで誘われたりするものは疑ってかかる。普段からフォローし合うとかリプライでやる分には問題はないですが、DMは注意という事です。


――新入生に言いたいことは?

大学に入るのというのは社会に出る第1歩です。高校や社会人とは異なる意味で新しい社会に出ることになります。そこでSNSや人間社会には、悪意があることも学んでほしいです。

SNSでモノを売りつけられたり、女性だと思われたら裸の写真が送られてきたり、SNSには悪意がいっぱいあることも知ってほしい。

というのは、私たちは今後スマートフォンやSNSから離れて生活することはできないので、ちょっと逆説的な言い方になりますが、そういう悪意の経験もしてほしい。

こんな問題がある、こんなことをされる、という事を知った方がいいと私はいいと思います。ですのでSNSはどんどん使ってほしいですね。ルールと安全策を知った上で、楽しく活用する方法を自分で見つけてほしいなと思います。

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なお、上智大学にコロナ前後での学生の違いを伺ったところ、「現在の1年生と新1年生はオンライン環境が長く続いたため、人とつながりたい気持ちはより強いのではないか」とし、さらに「そのような不安や焦りにつけこむ行為は許されないと思う」との回答をもらった。

これから大学生になる皆さんには、怪しいものを見抜く方法をしっかり把握し、新たな世界へと羽ばたいていただきたい。

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