自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家。
今日はお友達をおうちに呼んだココロちゃんだけど、ママにはちょっと気になることが。

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「遊んだあとはテキパキお片付けしないと『おやつは無し!』のルールがある我が家。でもお友達はとってもマイペース……いつもしているように注意したら、お友達もそのパパママも嫌な気分になっちゃうような気がして声をかけづらい!」

もちろん、子どもたちが外で遊んでいるときに道路に飛び出したり、危険なものを触ったりと、大きなケガをしてしまいそうな場面では大人が「ダメ!」と叱ることは大切なはず。
でもそれぞれの「おうちルール」でお友達のことも叱っていいの?よその子どもを叱るのって、今の時代は色々とトラブルになる可能性もある……
育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。


――よその子どもを叱ってもいいのって、どんな時?

これは、かなり個々人で対処に差があるように思います。気になることはよそのお子さんでも注意していくのが望ましいのか、その家庭ごとにルールは違うのだから自分があれこれ言うのはいかがなものか……。もやもやしますよね。自分の子どもを注意したり、叱ったりするのも本当に大変な仕事ですが、他のご家庭のお子さんとなると、また別の難しさがあるように思います。

今回は「自宅に子どもがお友達を連れてきて遊んでいるとき」というシチュエーションということで考えてみたいと思います。

子育てにおいて、親が子どもたちにまず教えていきたいのは、「相手を傷つけるようなことをしないこと」だと思います。私もしつけの第一歩として、まず必要なこととして捉えています。この点においては、どのご家庭でも同じ見解のはず。相手が嫌がることをして、なにも介入しないご家庭はありませんよね。

ですので、ケンカがこじれてしまったとき、ケガをしそうな行動をしたときなど、お互いの安全を保てない状況だと判断したら、躊躇なく大人が声をかけていきましょう。その際、なにも大声でケンカを制止する必要はありません。きょうだいげんかとは違い、大人が「どうしたの?」と声をかけるだけで、場が収まることもあります。

年齢にもよりますが、幼稚園くらいの子でしたら、双方の話を聞いて「じゃあ○○するのはどう?」と譲歩案を提案してみたり、「おやつにしようか」と気持ちを別のものに向けさせたりするのがいいと思います。


――「お部屋の中は走らない」「歩き食べはしない」などのおうちルールはお友達にも使っていいの?

これも迷う方が多いと思います。なぜなら、家庭によってルールは違うからです。

・冷蔵庫を自由に開けていいのか
・パパやママの寝室のドアを開けていいのか
・立ったまま、おやつを食べていいのか
・ベッドやソファの上で飛び跳ねていいのか

こういうことは、ご家庭によってだいぶ違うものです。もしかしたらお友達のAくんの家では、お友達が冷蔵庫を開けることに、なんの問題もないかもしれません。もしそうだとしたら、Aくんは自分がお友達の家に行った時も、「開けてOK」と思うのは当然です。このような「うちでは禁止だけど、Aくん家ではOK」というルールに対し、どう対処するべきなのか……。

1つ上に書いた“相手を傷つける”のような深刻な困りごとではないものの、案外こういうちょっとしたルールの違いが降り積もって、ママのストレスはたまっていくものです。だんだんと、「あの子が来るとイライラする」のようになってしまっては、気持ちよくその子を招いてあげることができなくなってしまいます。

そういうときは、「うちに来たときは冷蔵庫は開けないでね」と、その家庭のルールとして伝えてあげるのが適切だと思います。そうすれば、相手の育児方針に踏み入ることもないですし、我が子にも親の一貫性を示すことができます。
このくらいなら目をつぶれるという点については黙認しつつ、「これをされるとすごくイヤ」という点に関しては、「ここではしないでね」と伝えていくのがいいのではないでしょうか。

お友達の行動でちょっと困ったことが起きたとき、「我が家ではNGだけど、お友達のうちではOKかもしれないから…」とブレーキをかけてしまうパパママは多いはず。
そんな時は、たとえば「○○ちゃんのおうちでは、椅子に座っておやつを食べようね」といった風に、「うちではこういうルールだよ」ということをしっかりと伝えてあげるのがいいだろう。

それとは別に、子どもたちのケンカに親が割って入る…というのも足踏みしがちなもの。
もちろん、ちょっとしたケンカなら見守ることも大切かもしれないが、ケガなどにつながりそうだと思った時は、強く叱るのではなく、まずは大人がサッと間に入って声をかけてあげるのも大切だ。

親同士のトラブル防止のために…

そして気になるのが、子どもたちを叱ることで親同士のトラブルに繋がらないかということだ。

――お友達が帰ったあと、親に報告はするべき?

楽しく過ごしている様子は、相手も知って心地がいいものですので、LINEなどで伝えてあげるといいかもしれません。

一方、困ったこと、問題になったことなどを、どこまで報告すべきかについてですが、上記のような介入で、その日が丸く収まれば、言わなくてもいいように思います。収まっておらず、引きずっているなら、状況を伝えた方が望ましいでしょう。

とくに子ども同士のケンカは、お互いが、「相手が悪い。自分は悪くない」と思っているからケンカになるので、その子がお家に帰ってから、その日のケンカの話をママにすると、どうしてもその子の見解だけをママに伝えることになります。そうすると、どうしても偏った話が伝わり、ママ友関係もぎくしゃくしがちなので、それを緩和するためにも、前情報として、公平な大人の目で見た事実のみを伝えておくのが望ましいでしょう。

そしてなにより、こういう場面で大事なのは、お互いが言いやすい関係を日ごろから作っておくことだと思います。頻繁に行き来をするような間柄であれば、「何か気づいたらうちの子のこと、ちゃんと叱ってね」と自らアプローチしたり、親同士で、「悪いことはお互い叱っていこうね」と取り決めておくのも手だと思います。



「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。

・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?

などなど、あなたの「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?

※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)