新型コロナウイルスの感染拡大はいまだに終息の兆しが見えない。
シリーズで連載する「名医のいる相談室」では、各分野の専門医に病気の予防法や対処法をわかりやすく解説してもらう。
今回は、「ゲーム依存症の対処法について、精神科の名医・藤野智哉先生に話を聞いた。

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あと数年以内に疾患として治療も

ーー子どものゲーム依存症にどう対処すればいいですか?

藤野智哉先生:
ここ数年、特に「オンラインゲーム」が盛んになってきてからは、ずっとゲーム依存の話は問題になっています。

日本でもあと数年以内に診断基準が適用されて、疾患として治療がされていくことになります

一番はゲームの時間やタイミングをコントロールできなくなっていく、というのが症状として出てきます。
なので、「この時間はゲームをやれなくする」のが重要になってきます。

そこにはやはり「家族間での相談」がすごく大切で、1日何時間までにするのかなど、ルール作りが大事になってきます。

なぜ依存してしまうのか?

ーー子どもにとってゲームの何が問題なのですか?

藤野智哉先生:
結局自分で制限できなくなることが問題なので、暇な人はやっていても問題になりませんが、やればやるほど脳の回路というのは形成されるので、短いことに越したことはない。

適度に遊ぶ分には悪いものではありません。
ただ、「適度」が一番難しいので、しっかりと基準を決めてください。ちょっと伸びるとズルズル行ってしまいます。

ーー子どもがゲームに依存してしまう背景には何がありますか?

藤野智哉先生:
なぜゲームに依存してしまうのかという観点も必要で、オンラインゲームをやる方というのは、そこに人と人とのつながりを結構求めている場合もあります。

今は家族も家にいる時間が長いと思いますので、そこで一度家族間で話し合いをもってみて、つながりを確かめるいい機会だと思います。

コロナ禍で大人のアルコール依存も増加?

ーーコロナ禍で大人のアルコール依存も増えている?

藤野智哉先生:

災害後はアルコール依存が増えてくるというデータがあります。
さらに言うと、今は家にいる時間も長いですし、自宅でオンライン飲み会が流行っていますので、非常に注意が必要だと思います。

アルコールに関して言えば「身体依存」もありますので、尚更重要です。
ストレスや不眠から寝酒を飲む人もいますし、一番はやはりストレスからの逃避でお酒を飲んでしまう方が多いです。

ーーコロナ禍による不安にどう対処する?

藤野智哉先生:
不安を持つこと自体はそんなに悪いことではなくて、そこで共存できる人は共存して構わないし、それでも耐えられない、しんどいとなった場合は早めに遠慮せずに精神科にかかっていただきたい。

睡眠を治すだけでも精神面での落ち着きが得られます
すぐに抗うつ剤を出されるわけではないので、気軽に精神科にかかってください。

不安への対処法は、自分がリラックスできれば何でも良いですが、僕はアロマを取り入れてみたり、ちょっと植物を育ててみたりしようかと思ってますが、家族と触れあってゆっくり休むのが一番だと思います。

名医のいる相談室
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