匿名で400万円の寄付…「明日のために使いたい」

FNNの取材班が訪れたのは、東京・中央区にある、医療や文化活動などに携わる個人や団体を支援する公益財団法人パブリックリソース財団。
2月13日、事務所の郵便受けに思いがけない大金が入っていたという。

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公益財団法人パブリックリソース財団・久住剛理事長:
ひと束ひと束、一枚一枚をカウントして、ひとつの束が100枚。全部で4束ですから400万円が入っているということを確認しました。

封筒に入っていたのは、使い込まれた1万円札400枚と手紙。
封筒には「東京都大田区田園調布 6丁目14-11 田中実」と書かれていた。

「突然に匿名にてこのようなものをお送りしましたことをまずはお詫び申し上げます」と始まっていた手紙。

「使うあてもなく箪笥で今まで眠っていたものを、コロナウイルスなどによってお困りの方を少しでも助けることができればと思い寄付いたします」とつづられていた。

公益財団法人パブリックリソース財団・久住剛理事長:
びっくりしましたね。やっぱりちょっと最初は怪しくないかなとか不安にはなりましたけど、お手紙がちゃんとしたお手紙だったので。今まで、とにかく初めてですね。このお金も必ず役に立つように、明日のために、子どもたちの未来だとかそういうために使いたいなと思っています。

現金400万円の差出人「田園調布6丁目の田中さん」とは一体、どんな人物なのか。

封筒に書かれた住所を訪ねてみたところ、「田園調布6丁目」は存在せず、「田園調布6丁目の田中さん」は架空の人物のようだが……実は、匿名での現金の寄付は、別のNPO法人でも確認されていた。

2月1日には大田区のNPO法人グッドネーバーズ・ジャパンにも、現金と手紙が入った封筒が届いたという。

NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン 飯島史絵広報部長:
たくさんの人が助かると言えますし、活動に生かしてコロナで困っている人を一人でも多く助けられればいいなと。

加藤綾子キャスター:
コロナ禍で大変なときに、とても心温まりますよね。
名前を名乗らないのがとっても粋だなあと感じるのですが、寄付された側も有意義に使いたいという思いになるのではないでしょうか。

明治大学・齋藤孝教授:
大変奇特な方ですよ。自分が望んでいるNPOに直接届けられるというのがいいかと思います。
寄付によっては一体どこいっちゃったんだろう、というのがありますから、ピンポイントで使ってくださいという優しい気持ちはたまりませんね。

加藤綾子キャスター:
ちなみにこういった大金が実際届いたら、もらってもいいのかと迷うと思うのですが。
菊池弁護士によりますと「できれば現金を送った本人の意思を直接確認した方がいいが、今回は書面で『コロナで困っている人に』と書いてあるので、受け取っても問題ない」ということです。

(「イット!」2月26日放送分より)