フィンランドを体験できる世界初“カフェ併設”店舗

北欧・フィンランドの有名食器ブランド「イッタラ」が2月19日、東京・表参道に新たな店舗をオープンする。

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店内に入ると、正面にはフィンランドの自然が映し出され、壁はフィンランドの森の木をイメージしたデザイン。

白を基調にした、シンプルで温かみのある店内となっている。

フィスカース ジャパン・芦田直子マーケティング部長:
こちらは世界初のカフェを併設していて、単に商品を並べているだけでなく、お客さまにフィンランドを体験していただける(体験型の)ショップになっています。

世界1号店の「イッタラカフェ」。

ショッピングのあとは、店内でシナモンロールとコーヒーも楽しめる。

デザインは、国立競技場などを手掛けた世界的建築家・隈研吾氏が担当。

壁や棚にはサステイナブルな素材を使用

こだわりの店内は、壁の一部にコーヒー豆などの廃棄素材を使用。

商品のディスプレー台には、工場から出た廃棄ガラスを使用するなど、環境先進国フィンランドらしいサステイナブルな素材を取り入れた造りになっている。

家具やインテリアなど、北欧人気となっている日本。

フィンランドの生活文化は、新型コロナの影響で増える“おうち時間”のヒントにもなると考えている。

フィスカース ジャパン・芦田直子マーケティング部長:
フィンランドの人々は、寒いので家で過ごす時間が長い。それもあっての家の楽しみ方を熟知している国、その中で生まれたブランドなので。実際に、例えば去年からキャンドルホルダーの売り上げが高まっていたり、そういった家の中での楽しみ方をお伝えできるかなと。

「コト×モノ」で広がる消費スタイル

三田友梨佳キャスター:
マーケティングアナリストの渡辺広明さんに伺います。北欧・フィンランドのブランドの新たな試みをどうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
ムーミンやIKEAが日本ですでに人気があることからわかるように、北欧文化は日本と非常に相性が良いです。

以前、仕事でフィンランドに行きましたが、北欧の冬は日照時間が短く気温も低いので、部屋の中で快適に過ごすことに重きを置いていて、グッズのデザインが進んでいたり、モノを長く大事に使う文化が根付いています。ステイホームの流れに加えて、サステイナブルな面でも今の時代に非常にマッチしていると思います。

三田友梨佳キャスター:
今回の店舗はモノの販売だけでなくカフェも併設していますが、その点はどうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
モノ消費だけではなく、体験型のコト消費をあわせたところがポイントになると思います。特にコロナ禍でコト消費ができなくなり、モノを売ることに集中している店舗が多いと思いますが、モノを売るだけだと、なかなかファン層ではない一般の顧客を取り込むのが難しい。

そこに今回のような体験やカフェのような付加価値によって、間口が広がって新規の顧客を呼びやすくなるんです。コト消費を導入することは、結果としてモノ消費を促進することに繋がります。

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
日本の消費は多様化しているので、客観的に総合スーパーなどは苦戦していますが、今回のようにコトとモノを組み合わせることによって、今回は北欧好きを中心とする特定のファンに人気が出て、そこから一般の顧客に広がるという形で、小さなファンをしっかりつかんでビジネスを大きくしていくことが、これからの小売りビジネスのポイントになると考えます。

三田友梨佳キャスター:
コロナ禍の開店には難しさもあると思いますが、見て、使って、さらに味わってブランドの世界観を堪能できる新たな試み。今後の展開に注目していきたいと思います。

(「Live News α」2月17日放送分)