年収1200万円世帯 特例給付廃止へ

政府は、高収入世帯への児童手当の支給を廃止する法案を閣議決定した。

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児童手当は、世帯主が一定の所得に満たない世帯には、子ども1人あたり月1万円から1万5,000円、一定以上の所得がある世帯には、特例給付として、月5,000円が支給されている。

閣議決定された児童手当法の改正案は、特例給付の対象を縮小し、年収1,200万円以上の世帯への支給を廃止する。

廃止の対象になる子供は、61万人とみられ、政府は改正による財源を保育所整備などにあてる方針だ。

「子育て世代→子育て世代」が違和感

三田友梨佳キャスター:
社員全員がリモートワークで働く会社、キャスター取締役COOの石倉秀明さんに聞きます。
児童手当が変わりますがどうご覧になりますか?

キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
収入が一定以上ある人の特別手当を止めて、待機児童の解消に当てるということですが、子育て世帯の負担を減らすために別の子育て世帯の手当を減らすという点には違和感を感じます。

しかも、世帯収入ではなくて、世帯主の収入で判断するということが本当にいいのかなという疑問があります。

極端な例ですが、どちらか一方が年収1300万円ほどあって、パートナーが200万円という家庭の場合は手当が廃止されるわけですが、2人ともが1000万円ずつ稼いでいる家庭は廃止の対象にならないので、制度として目的を果たしていないと思います。

おそらく夫が外でフルタイムで働いて稼いで、妻はパートというのが一般的とする伝統的家庭観みたいなものに基づいて決められたと感じます。

待機児童だけではなく、学童も拡充必要

三田キャスター:
そうすると不公平に感じる家庭もあると感じますが、子育て支援のあり方そのものが問われていますよね。

石倉秀明氏:
もちろん待機児童の解消も大事ですが、それとセットで学童なども拡充していかないと根本的な問題は解決しないと思います。

例えば、「小1の壁」と言われますが、保育園に預けて仕事をしていた方でも、子供が小学校に上がったときに地域に学童が足りなければ、そのときに仕事を辞めたり、働き方を変えなければいけないケースも多く見られます。

働き続けることと子供を育てることを一体として捉えて国としてどうアシストできるかを考えるべきだと思います。

三田キャスター:
そういった支援策のためにも財源については児童手当を削るのではなくて、ほかの分野と調整しながらしっかりと確保していくことが求められていると感じます。

未来を担う子供達のためには親所得にかかわらず社会全体で支えていくことが必要なのではないでしょうか。

(「Live News α」2月2日放送分)