今日1番知りたいニュースを、しっかり深堀りしてお伝えするコーナー「ソレが知りたい」。1月28日のテーマは「緊急事態宣言から3週間 解除?延長?」

28日、東京では1064人の新規感染者が確認された。前日より91人増えたが、感染者数が多く出る傾向のある木曜日としては、先週が1471人だったので400人ほど減っていることになる。

感染者数が減少傾向でも安心はできない

石本沙織アナウンサー:
緊急事態宣言に入ってから何となく感染者数は下がっているように見えるんですけれども、ただ重症者数は150人、そして亡くなった方は昨日18人とまだまだ予断を許さない状況です

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加藤綾子キャスター:
二木先生、感染者の数を見るとピークは越えたと考えてよろしいでしょうか?

昭和大学医学部・二木芳人客員教授:
そうですね。ピークは過ぎてゆっくりと下がってきていますね。実効再生産数を見ても1を切ってきていますので、それは明らかだと思いますが、お話があったように医療提供体制とか自宅療養する人もたくさんいますしね。そのあたりが落ち着いていかないと安心はできません

加藤綾子キャスター:
ここからぐっと下がるというよりは、このぐらいの感染者の数がしばらく続くんじゃないかと?

昭和大学医学部・二木芳人客員教授:
そうですね。高止まり感がありますね

そうなると気になるのが、緊急事態宣言がいつ解除されるのか?西村経済再生相は27日、東京の新規感染者数が500人を下回ったから、ただちに解除ではないこと、解除か延長かは来月7日よりも何日か前には判断しなければいけないと述べている。

そして28日、菅首相も次のように述べた。

菅義偉首相:
まずはなんとしてもステージ4を早期に脱却して、一日も早く感染を収束させ、国民の皆さんの安心して暮らせる日常、そしてにぎわいのある街、これを取り戻すべく、全力で取り組んでいるところであります

石本沙織アナウンサー:
ステージ4からの脱却はできるのでしょうか?宣言解除の目安となる指標の1つ、人口10万人あたりの新規感染者数を現在、緊急事態宣言が出ている11都府県で見てみたいと思います。赤色で示しているのがステージ4、黄色がステージ3です。東京や大阪など8都府県がまだ赤色のステージ4、東京に至ってはステージ4の指標25人を大きく上回る55人となっています。愛知と岐阜では解除の目安のステージ3です。栃木県はすでにステージ2にまで下がっています

4月に再び感染者1000人超の危険性

京都大学の西浦博教授のシミュレーションによると、東京の1日の新規感染者数が500人を下回るのは2月24日ごろと予測されている。だがここで解除してしまうと、4月に再び1000人を超えてしまうという。そのため、100人以下での解除が重要になるのではないかとのことだ。

加藤綾子キャスター:
二木先生。愛知、岐阜、そして栃木などは下がってきているんですけども、東京はどうすればもっと下がるんでしょうか?

昭和大学医学部・二木芳人客員教授:
東京は人が多いですからかなり難しいですけれども、恐らくポイントは2つ。1つはもう少し人の流れを減らさなきゃいけません。そのためにやはり少しイベントですとか、大規模商業施設あたりに規制を加えること。後はどこで感染が起こっているかというと、家庭と最近は施設なんですね。ですから家庭内感染を防ぐために、自宅療養者を減らす、もう1つは施設の中の働いている方々に積極的に検査をする。そういうことをすればあるいは減らせるかなと

加藤綾子キャスター:
緊急事態宣言がもし延長となった場合には、これまでよりももう少し強い措置を行わないとなかなか減っていかないということなんですよね。住田さん、ただ延長となると経済への影響も気になるんですよね?

住田裕子弁護士:
そうですね。特に営業時間の短縮になって、飲食業、観光業はものすごく痛烈な痛みが来ていますし、働いているアルバイトの方は女性も多いんですよね。本当に生活苦が気になるんですよね。そういう意味でも救済策をきちんと出していただいた上で、先の出口戦略まで示していただけるとありがたいと思いますね

加藤綾子キャスター:
目標が見えていないと、なかなかどこまでどうやって頑張ったらいいんだろうという気持ちになってしまうんですけれども。西浦教授のを見ると(新規感染者数が)100人を切るぐらいまで頑張らないとっていうね、目標になりますもんね

石本沙織アナウンサー:
緊急事態宣言の延長というと、経済の影響も大きくなりますし、なんとしてでもあと残り1週間少し、さらに私たちも引き締めて日々過ごしていきたいと思います

(「イット!」1月28日放送より)

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