初の集団接種テストで見えた問題点

川崎市では1月27日、新型コロナワクチンの集団接種を想定した全国初のテストが行われ、本番に向けての課題も見えた。

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午後1時から行われた「ワクチン集団接種シミュレーション」は、接種者を20人としてスムーズに接種を進められるかを検証した。

接種の工程は大きく分けると、接種前の問診と、ワクチン接種および経過観察の2段階。
懸念されていたのは、各段階に設けられた待機の時間と、接種後の15分以上の経過観察の際に人の流れが滞り、密が生まれないかという点だ。

リポーター:
入り口の受付ではかなりスムーズに進んでいる印象だったのですが、医師との問診でかなり時間がかかっています

接種直前に体調の確認などを行う問診は、医師3人体制で行われたためか、待機スペースは多い時で4,5人が待っていた。

その後の接種は看護師2人で行われ、流れが大きく滞ることはなかった。
しかし…

リポーター:
ほとんどの方が接種を終えて、接種済証の交付を受けました。ですが、経過観察の場所で多くの方の姿が見られます

接種後の体調の異変に備える15分以上の経過観察。ここでは、20人の接種者のほとんどが集まっていた。

「持病のことを相談したり…」で”目詰まり”も

今回のテストで明らかになった問題点とは…

川崎市 福田紀彦 市長: 
自分の持病のことを相談されていたりとか、そういったところで時間がだいぶかかっているなあと。そうしたことで目詰まりになっていくと、(接種を)こなせる回数が減っていくこともありますので

実際、テストでは先に接種を受けた人よりも、後で受けた人の方が終了までの時間が倍近くかかっていた。

"個別”接種に頼らざる得ない自治体も…

こうして、各地で進む集団接種の準備。
一方で、集団接種ではない形を模索する自治体もある。

神奈川・小田原市は、各医療機関での個別接種を中心に進めることを検討している。
その理由の一つが、接種のために医療従事者を集めることの難しさ。

小田原市役所 福祉健康部健康づくり課 林万里 副課長:
小田原市内の134の医療機関にアンケートを渡して、看護師さんとなると18カ所くらいしか「大丈夫です」と答えていないので、医療機関に勤めている看護師さんに出ていただくのはまず難しいではないか

夕方、全国市長会は国に対し、集団接種より個別接種に頼らざるを得ない自治体に支援を求める要望書を提出した。

(「イット!」1月27日放送)