コロナ禍で食べる機会が増えた人もいるであろう“即席ラーメン”。手軽に作ることができ、安価なこともその魅力だろう。

そんな中、高級すぎる即席ラーメンが登場し、しかも発売から9日で完売となって注目を集めている。

「中華三昧 贅の極み」
「中華三昧 贅の極み」
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それが、明星食品が70周年記念商品として数量限定で、1月11日に発売した「中華三昧 贅の極み」。

魚翅姿煮拉麺(フカヒレスガタニラーメン)と極厚叉焼拉麺(ゴクアツチャーシューラーメン)の2食セットで、なんと値段は5000円(税別)。同社調べでは、即席ラーメン業界の史上最高価格とのことだ。

一般的な即席ラーメンと言えば200円程度だと思うが、強気な5000円という値段設定に驚くばかりだ。

魚翅姿煮拉麺は、紹興酒や生姜で味付けした、高級中華料理店で出できそうなフカヒレの姿煮1枚を贅沢に使用。

極厚叉焼拉麺は、約5センチのボリューム満点で柔らかくジューシーなチャーシューや、椎茸、タケノコが入っており、どちらも高級な仕上がりとなっている。

左:魚翅姿煮拉麺 右:極厚叉焼拉麺
左:魚翅姿煮拉麺 右:極厚叉焼拉麺

この豪華すぎる「中華三昧 贅の極み」についてTwitterでは「外出できない分、おうちごはん豪華にできる」「作るプレッシャー半端なさそう」などの声があり、発売開始直後から話題に。そして、1月20日には好評のため完売したというのだ。

ラーメン店で食べるラーメンでも、高くても大体は1000円を超える程度だろう。それがなぜ、ここまで豪華で強気な即席ラーメンを作ったのだろうか? 明星食品の担当者にお話を伺った。

有名店を巡り約1年かけて製作

ーーなぜここまで高級にした?

ご自宅で手軽に本格高級中華の味わいを楽しんで頂きたいという思いから、豪華具材つきで、従来のカップ麺の概念を覆す一杯を開発しました。

今回は2食5000円という高価格設定となっていますが、「中華三昧」ならではのこだわりを感じて頂けると思います。


ーーどれだけ高級な素材を使っているの?

魚翅姿煮拉麺は紹興酒や生姜で味付けされたフカヒレエキスをベースに香味野菜で味を調え、XO醤やオイスターソースでコクを出しています。

極厚叉焼拉麺は本格中華のしょうゆスープに、約5センチでボリューミーでありながら、柔らかくジューシーなチャーシューと肉厚な椎茸とシャキシャキなタケノコを使用しています。


ーー即席ラーメン用にするのは大変だった?

カップ麺では考えられないような超豪華具材を入れたいという漠然としたテーマからまずどのような具材を選定・加工し、調味していくかを決めることが最も大変でした。

製品のイメージが出来たあとは、味覚を定めるために有名なお店などをめぐり、製品のイメージを固め具材の調達、加工方法、加工場所、調味の内容についておおよそ1年かけて詰めていきました。
 

魚翅姿煮拉麺
魚翅姿煮拉麺

コスト度外視のため正直儲けは少ない

ーー強気な値段設定に不安はあった?

不安と自信と半々でした。


ーー正直な話、儲けはなさそう?

今回は前回を上回る2食5000円という高価格設定となっていますが、「中華三昧」ならではのこだわりを感じていただくため、本格高級中華の味わいをコスト度外視で設定しております。

儲けは少ないです。
 

極厚叉焼拉麺
極厚叉焼拉麺

ーー作り方を教えて

魚翅姿煮拉麺はあらかじめ粉末スープと液体スープを器にいれ、レトルト具材は封を開けずに熱湯に入れ3~4分加熱します。沸かしたお湯(500mL)に麺を入れて、3分後にチンゲン菜を入れてさらに1分茹でます。

麺がほぐれたら火を止めて鍋からお湯だけを先に器に入れてスープをよくかき混ぜて溶かします。最後に茹でた麺、チンゲン菜、レトルト具材を入れて完成です。

極厚叉焼拉麺は、レトルト具材のゆで時間が4分~5分という部分以外作り方は一緒です。


ーーどんな味?

魚翅姿煮拉麺は、フカヒレの姿煮を噛めば噛むほどトロトロでありながら、繊維はきめ細やかでフカヒレの旨みが増しています。

極厚叉焼拉麺メインのチャーシューは約5センチ、お箸で崩れそうなほど柔らかくジューシーで口の中でとろけます。
 

昨年は2月~5月にカップ麺の売り上げが大幅増

ーーコロナ禍でカップ麺全体の売り上げはどう変わった?

カップ麺は2020年2月から5月にかけて大きく前年を上回る数値でしたが、7月以降は前年並みとなっています。


ーー反響はあった?

WEB記事、TVの取材等、大きな反響がありました。

左:魚翅姿煮拉麺 右:極厚叉焼拉麺
左:魚翅姿煮拉麺 右:極厚叉焼拉麺

発売から9日で完売となったのは、もちろん商品のクオリティが高いということもあると思うが、コロナ禍の“巣ごもり需要”の後押しもあったことだろう。

今後も高級“即席ラーメン”への需要はあるかもしれない。
 

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プライムオンライン編集部
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