コロナ禍で学校行事が変化している。
これまでオンライン文化祭、ソーシャルディスタンス運動会、生中継スタイルの修学旅行などを取材してきたが、第4弾は「卒業アルバム」。

この記事の画像(34枚)

東京学館浦安高等学校 大澤次郎校長:
行事がない中で写真が撮れないと。通常のアルバムが作れなかったんですね

上野村立上野小学校 小池優介先生:
規模を縮小したりしながらできる範囲で学校行事は行ってきたんですが、今年は新しい方法で卒業アルバムを作ってみました

めざましテレビが全国の小・中・高47校にアンケートを行ったところ、19校が「例年とは違う方法で卒業アルバム制作を実施」と回答。

東大阪市立楠根東小学校では、普段なかなか入ることができない花園ラグビー場のグラウンドで卒業写真を撮影。東大阪市が無償で花園ラグビー場を貸し出したという。

今回の「ココ調」は、様々な工夫によって思い出を作る、コロナ禍で変化する卒業アルバムを調査した。

普段の授業も大切な思い出…カメラマンは先生

まず向かったのは、千葉県の松戸市立北部小学校。

例年の卒業アルバムには運動会や音楽発表会など様々な学校行事が載っているが、すべて中止となり、写真が足りない状態となってしまった。

そんな中、少しでも思い出を増やすために始めたのが…

横山ルリカ リポーター:
あちらで先生がビデオカメラで撮影してます。何を撮影しているんですか?

生徒:
卒業アルバムの動画を撮っています

こちらの小学校では、卒業アルバムに動画を採用。授業の様子などを先生自らが撮影している。

しかし、写真が定番の卒業アルバムにどのようにして動画を載せるのだろうか?

松戸市立北部小学校 波田寿一校長:
AR技術を使って、写真にスマホをかざすとそれが動画として再生される仕組みです

これは、すでに完成している他の小学校の卒業アルバム(葛飾区立青戸小学校)。スマートフォンを運動会の写真にかざすと、スマホ画面に映像が流れ、組体操をする生徒たちの「せーの!」という掛け声が再生された。

これは「ソツアル」というサービスで、専用のアプリをダウンロードするだけで事前に設定していた映像を卒業アルバムを見ながら楽しむことができる。

松戸市立北部小学校 波田寿一校長:
本当に自然な姿が映っていて、コロナの中ですけれども、楽しく生活するにはどうしたらいいのかということを考えながら、子供たちも先生方も日々努力してくれているんだなと思っています。ありがたいです

例年は学校行事の写真が主な卒業アルバムだが、今年は授業中の児童たちの何気ないひとこまを動画で撮影している。

カメラを持つ先生も…

先生:
この字よりも顔撮りたい。お顔も見たいわ

生徒:
(習字作品を手に持って見せながら)へい

先生:
いいじゃない

と撮影に熱が入る。

松戸市立北部小学校 大久保美沙先生:
子供たちがすごく楽しんで被写体になってくれるので、私も楽しんで撮影しています

生徒:
(これまで)動画とかってなかったので、新しくておもしろいと思いました

生徒:
修学旅行とかもなくなっちゃたけど、その少ない日々でもみんなで思い出が作れたからよかったです

クラスみんなで黒板アート ドローン撮影も

続いて向かったのは、千葉県浦安市にある東京学館浦安高等学校。

例年は文化祭や体育祭などの写真を多く載せていたが、コロナで中止に。クラスのみんなで思い出を作る機会があまりなかった。

東京学館浦安高等学校 大澤次郎校長:
クラスの生徒と教員が話し合いをしながら、今までにない思い出のシーンを作れたと思っています

その“今までにない思い出作り”がこちら。

めざまし取材班:
黒板に大きく絵が描かれてます!すごい完成度です

こちらの学校では新しい思い出作りとして、黒板アートを制作。

担任の先生のリアルな似顔絵やクラスメートに向けた寄せ書きなど、個性豊かな黒板アートを3年生全クラスの卒業アルバムに加えることにしたのだ。

さらにアルバムにはQRコードも掲載されていて、それを読み込むと黒板アートの制作風景を映像で見ることができるという。

生徒:
本当にこのクラスは全く行事がなかったので、みんなでこの桜のメッセージに何書こうかなとか、黒板アートどういうふうに作ろうかなって話し合ってる時間は、すごく楽しかったです

また、QRコードを使った思いで作りは他にも。

めざまし取材班:
柔道着を着た先生が走っています。生徒たちはカメラに向かって思い思いのポーズをとっています

カメラを持った先生たちが、次々と校庭に集まった3年生たちを撮影するという少し変わった光景だが、これも動画が見られる卒業アルバムの撮影。

この1年、全員で集まる機会がなかった3年生のために、先生とアルバム制作会社の(株)学校写真が考えたという。

さらに、ドローンを使った上空からの動画撮影も。

登校日が残り少なくなってきた3年生は、仲間たちと最後の思い出作りを楽しんでいた。

生徒:
数少ない思い出なので、こういうのも大事にしていきたいと思います

生徒:
正直、文化祭とか体育祭がないのはやっぱり寂しいし、やりたかったっていう気持ちはあったんですけど、こういう機会がもらえたのはすごいありがたいことだなと思います

撮影した動画は、黒板アートと同じようにQRコードを読み込むと見ることができるそうだ。

生徒もアルバム制作に参加…手作りの一冊に

続いては、群馬県の上野村立上野小学校へ。

例年の卒業アルバムは、先生が撮影した写真を手作り風に制作しているが…

上野村立上野小学校 小池優介先生:
今年は例年にない特別なことをある意味やっているので、子供たちと一緒に思い出に残るアルバムを作れたらいいなと思っています

子供たちとの特別な思い出とは?

めざまし取材班:
撮影していますが、カメラを持っているのは生徒さんですね

カメラを持つ生徒:
はい、ニッコリ!

生徒たち:
ハハハ

そう、児童が卒業アルバムの写真撮影をしているのだ。卒業する7人の思い出が詰まった学校で撮影し、卒業アルバムの制作に関わることも思い出のひとつに。

そして、撮影した写真は…

上野村立上野小学校 小池優介先生:
ネットのソフトを使いながら、実際に(アルバムを)作っていきます

ここからは先生にバトンタッチ。撮影した写真を選び、アルバムのレイアウト作業を行う。

先生A:
それ自分たちで(撮影)やってるんですよね?

小池優介先生:
そうそう、そうです

先生A:
すごいですね

先生B:
かわいい!

小池優介先生:
これいいですよね。これは奈緒ちゃんが撮ったやつ

先生B:
へぇ~!

児童目線で撮影された笑顔あふれる写真の数々。これまでとは少し違った卒業アルバムになりそうだ。

生徒:
こうやってまたみんなで写真撮れたりして、すごく嬉しいです

生徒:
大変だったけど、一生に一度の思い出になると思いました

生徒:
笑顔があふれているアルバムになりそうです

コロナ禍にあっても前向きな先生や生徒たちが制作した卒業アルバムは、特別なものになるだろう。

(「めざましテレビ」『ココ調』1月12日放送分より)

(「めざましテレビ」特設サイトでは、「今日のココ調」など人気コーナーのコンテンツが無料で楽しめます!特設サイトはこちら)