FNN記者のイチオシのネタを集めた「取材部 ネタプレ」。今回取り上げるのは、社会部の石田真美記者が伝える「1月10日は110番の日」。

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近年の110番の通報内容として、不要不急の“迷惑110番”が多くなっているという。東京湾岸署の警察官・内生蔵一聡係長と警視庁のマスコットキャラクター「ピーポくん」とともに、スタジオからお伝えする。

約16%が不要不急の“迷惑110番”

社会部 石田真美記者:
柳澤さんに質問です。去年(2020年)一年間に東京都内の通報件数は157万件あったんですが、不要不急の困った110番、いわゆる迷惑110番はどのくらいあったと思いますか?

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
こうやって話題になるぐらいですから相当多いんだろうけど、でもそんなに多くないと思うので…100件あったらそのうちの…5件くらいじゃないですか

社会部 石田真美記者:
実は全体の16%にあたる約25万件が迷惑110番だったんです。年によっては50万件を超えるような年もあったということなんですね

社会部 石田真美記者:
実際どのような110番が入っているのかといいますと、例えば「夫婦げんかをして妻が構ってくれない」とか、高所恐怖症の方が「橋を途中で渡れなくなってしまったので助けてほしい」。「家族と待ち合わせをしているんですがまだ来ない」とか、「宅配業者の方が信号無視をしている」というような通報が入っているということなんですね

加藤綾子キャスター:
信号無視はわかりますけど、妻が構ってくれないというのは…

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
ちょっと電話する相手が違いますよね

通報者「レインボーブリッジ封鎖できますか」

社会部 石田真美記者:
そしてピーポくん。東京湾岸署には海に近いお台場ならではの110番があるんだよね。こちらをご覧ください

Q.変わった110番はある?

東京湾岸署 深井貴署長:
釣り糸をそのままにして帰られる方もいて、そこにカモメが絡まって飛び立てないので助けてあげてほしいと。署員が駆けつけてカモメにつつかれながら、糸を切って救助して放鳥した

社会部 石田真美記者:
いかにも東京湾岸署ならではの困った110番といえますよね

加藤綾子キャスター
ちょっと助けてあげてほしい気持ちもありますね

社会部 石田真美記者:
110番でもいいんですけども、相談してくれれば駆けつけてくれると思います。また、東京湾岸署には過去の大ヒット映画の影響もあってか、「レインボーブリッジって封鎖できるんですか」といった質問もよく来るそうなんです

「マスクをしてない」新型コロナ関連の110番通報も

社会部 石田真美記者:
去年は新型コロナ関連の110番通報も多くありまして、1年間で4700件もありました。例えば「コロナで閉まっている郵便局に男が入ってきた」というような必要性のある通報もあるんですが、次のようなケースもあったんです

社会部 石田真美記者
例えば「マスクをしていない人がたくさんいるのでパトロールしてほしい取り締まってほしい」とか、「緊急事態宣言中に居酒屋の客がうるさい」とか、「給付金10万円は役所で受け取れるんですか」という問い合わせだったりとか、ヨーロッパから帰国した方が「コロナにかかっているか不安です。どちらに相談したらいいですか」というような問い合わせも、110番にかかってきているということなのです

加藤綾子キャスター:
どこに連絡したらいいかわからないとなったときに、110番が一番身近にあるっていう?

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
迷惑ではあるけれども、それだけ頼りにされている110番っていう感じもするんですよね

社会部 石田真美記者:
そうですね。実は通報件数自体は2016年から2019年までは増加傾向なんですが、去年はコロナの影響で激減したのです

【警視庁への110番件数】
2016年 約176万件
2017年 約178万件
2018年 約183万件
2019年 約184万件
2020年 約157万件

加藤綾子キャスター:
減ったんですね。人出も少なくなっているからということも関係してるんですかね

社会部 石田真美記者:
おっしゃる通りで、ステイホームで人が出歩かなくなったことなどから交通事故が減りました。そして違法駐車も減っています。つまりそうした交通関係の通報が減ったというのが大きな要因です。一方で、人が家にいることでテレワーク中に隣の家がうるさいといったような通報は増えたそうです

緊急性のないものは警察相談ダイヤル「♯9110」へ

加藤綾子キャスター:
これすべて110番にかかってきたら、対応しないといけないということになっているのですか?

社会部 石田真美記者:
はい。よく無言の通報というのがあるのですが、そういったときでも必ず警察官は臨場して確認をしているということなのです

加藤綾子キャスター:
もし何かあったらということを考えてということなんですね?

社会部 石田真美記者:
そうなんです。実際、迷惑通報のせいで捜査に支障が出る可能性もありますし、当然、緊急の事件であったり事故の際はためらわず110番通報していただきたいのですが、そうではないご相談やお困りごとは警察相談ダイヤル「♯9110」を活用してください

加藤綾子キャスター:
そういうのがあるんですね。人命救助とか捜査は110番通報をすぐにして。そうではないもの、相談とかは「♯9110」。分かりました。しっかりと覚えておかないといけないですね

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
これでも、やたら夫婦げんかで電話したりしてはいけないですね

加藤綾子キャスター:
それはいけないですね。ピーポくんもありがとうございました

(「イット!」1月7日放送より)